研究課題/領域番号 |
19K03218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
村山 綾 近畿大学, 国際学部, 准教授 (10609936)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 変化への抵抗 / 道徳基盤理論 / システム正当化 / 国際比較 / 道徳基盤 / 集団間葛藤 / 法制度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、(1)日本では、文化的・社会生態学的な特徴から、他の文化圏に比べて社会システムを変えることへの抵抗が強く、(2)種々の規範、法制度といったルールの中でも、特に集団の結束が関わる場合において、変更や改善の提案が拒絶されやすいという仮説を、社会心理学の諸理論を援用し、検証することである。
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研究成果の概要 |
さまざまな社会システムについて、日本人は他国の人々と比較して変更や改善の提案を受け入れ難いという仮説を3つの研究から検証した。その結果、政治的態度における保守傾向や、集団の結束を重視する個人差が、全体としてさまざまな社会システムの変化への受容しにくさと関連していた。加えて、婚姻に関わる自由度の許容(同性婚、夫婦別姓)は、都市部で受け入れられやすかったが、関係流動性によってこの関係が媒介されていた。そして、日本人は他国(中国、ドイツ、タイ)の人々と比べて、移民や婚外子養育支援など、マイノリティのサポートを拡充することへの受容の程度が低かった。全体として、仮説を支持する方向性の結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は、日本人が全体として社会システムの変化を受け入れにくく、またその背景には、保守的な政治的態度や集団の結束を重視する道徳基盤が存在することが示唆された。特に、マイノリティへの支援に対する受け入れの程度が低い点については、インクルーシブな社会を目指す上で課題であると考えられる。また、このような結果が得られた背景には、マイノリティとの接触機会が少ないことも関連しているかもしれない。今後は、自分とは異なるさまざまな社会集団に接する機会をいかに提供するか、考える必要がある。社会心理学の諸理論を援用して、日本社会の課題を明らかにした本研究は、学術的、社会的意義も高いと考えられる。
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