研究課題/領域番号 |
19K03229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 雄介 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20615471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 共感性 / 向社会行動 / 縦断研究 / 双生児 / 行動遺伝学 / 冷淡さ / 無感情性 / 認知的共感 / 情動的共感 / 縦断データ |
研究開始時の研究の概要 |
共感性は,人間においても他の動物種においても向社会行動の基盤である(de Waal, 2008)。既に先行研究によって示されている共感性の予測的妥当性と変容可能性の高さを考慮に入れながら,双生児の縦断調査研究を本邦においても実施し,遺伝と環境の交絡を解くために必要不可欠な基礎的な実証データを適切に蓄積する。本研究課題は,実証に基づく発達支援を志向し,発達行動遺伝学の視点から,子どもの共感機能の発達と適応・不適応について体系的に研究することが主たる目的である。
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研究成果の概要 |
共感性は,人間の適応行動に欠かすことのできないヒューマン・キャピタルのひとつでありながら,幼児期・児童期における共感性の構造と結果変数に対する予測的妥当性については未解明の部分が多い。本研究課題では,幼児期・児童期の共感性の構造と発達の動態を明らかにしながら,それらが社会的な適応と不適応にどのように影響を与えるのかを双生児法を用いた行動遺伝学解析による検証を行った。とりわけ,英国のデータを用いて共感のダークサイドである冷淡さ・無感情性の発達の様相を明らかにし,本邦のデータを用いて2種類の共感(認知的共感・情動的共感)と自閉傾向・サイコパシー傾向との特異的な関連について報告を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は,人間においても他の動物種においても通底して観測される向社会行動への誘因たる共感性の発達基盤について実証的な検証を行った。共感性は適応行動に欠かすことのできないスキルのひとつでありながら,幼児期・児童期における共感性の構造と結果変数に対する予測的妥当性については未解明の部分が多かった。そこで,本研究課題は共感性を主軸として,その発達の個人差の様相を遺伝と環境の観点から統計的に読み解き,その結果,調和性・自閉傾向・サイコパシー傾向などとも関連性が認められたことから,隣接他分野への学術的波及効果も大きく,ある程度の社会的インパクトも在ったと考えられる。
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