研究課題/領域番号 |
19K03230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
豊沢 純子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90510024)
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研究分担者 |
竹橋 洋毅 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70583871)
島井 哲志 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30136973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 防災教育 / 強み介入 / ポジティブ心理学 / 人格的強み / 防災行動 / 強みカルタ / 教育心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ポジティブ心理学の知見に基づき、連携と継続を促すことのできる防災教育を提案する。従来の防災教育は、災害がもたらすネガティブな側面に注目することが多かったが、ポジティブ心理学は、人が持つポジティブな強みに注目する。ポジティブ心理学の知見に基づく介入は、視野を広げ、思考を柔軟にし、他者との相互作用を活性化することで、未来に向けたリソースの形成に役立つとされる。この考えを防災教育に導入することによって、自助だけでなく共助を形成することを試みる。研究開発期間中に、学校の授業で活用可能な教材を作成し、自助と共助がともに促進されるか、それらが習慣化されるかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、ポジティブ心理学の人格的強み研究の知見に基づき、参加者が強みを認識し、防災への活用感を高くする教育を行うことによって防災行動を増加させることができるかを検討した。強みの活用法を理解するための教材として、防災強みカルタ(紙媒体、オンライン版)を開発し、カルタの活用および他者との交流の中で段階的に強みの活用感を高くできるように教育内容をデザインした。大学生を対象とした複数の実践の結果、学習前よりも学習後に防災行動が増加し、強み介入の要素としての強みの認識や活用感も高くなることが示された。以上の結果から、強み介入による防災教育の効果が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、ポジティブ心理学の強み介入が、従来の研究で主に扱われてきた精神健康分野や教育分野だけでなく、防災分野でも有効であることが示された。従って、強み介入の有効性に関する研究知見の適用範囲の拡大に貢献することができた。次に、社会的意義として、自然災害が多発する日本において、防災行動を促進し維持するための新たなアプローチを提供することができた。従来のアプローチでは災害のネガティブな側面に注目することが起点となりやすかったが、本研究のアプローチは人々が持つポジティブな側面に焦点を当て、それを認識し活用感を高めることによって、主体的で持続可能な防災の促進に役立てることが期待できる。
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