研究課題/領域番号 |
19K03235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東北大学 (2022) 石巻専修大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
佐藤 誠子 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (20633655)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 知識学習 / 課題解決 / 具体的情報 / 知識の道具的機能 / 表面的類似性 / 視点の変換 / 大学生 / 思考 / ルール学習 / 思考過程 / 抽象度 / 教材特性 / 発問 / 知識表現の抽象度 / 授業 |
研究開始時の研究の概要 |
授業において知識(ルール)が教えられても課題解決に適用できないという問題がある。本研究はその背景として,ルールと具体的事象の抽象度の違いによる教材特性の問題と,教師と学習者の認識の齟齬(教師はルールを教えたつもりでも学習者は事例の学習にとどまること)の問題を指摘する。本研究の目的は,先の問題を克服しルールの学習を成立させる教師の発問と教材の特徴について明らかにすることである。具体的には,教授学習場面で扱われる知識表現の抽象度に着目し,学習者が理解しやすく利用しやすい抽象度を有する教材を考案しその効果を検証すること,さらにルールへの抽象化と適用を促す教師の発問の特徴を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
教科の学習において,必要な知識(ルール)が教えられても実際の課題解決に適用できないことがしばしばみられる。本研究は,その要因として,使用する課題や提示教材の抽象度およびそれに関する学習者の認識の問題を想定し,いかなる教授活動が課題解決を促すかを検討した。大学生を対象とした一連の研究の結果,1)課題解決の失敗は,提示事例の具体的情報を手がかりとした判断に固執するために生じること,2)課題解決を促進するには,教授場面においてルールと多様な事例を提示するだけでなく,知識の道具的機能に関して一般的な認識を形成させることが重要となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学的知識(ルール)の学習に関する教育心理学的研究では,これまで課題解決を阻害する要因として学習者のもつ誤概念や知識操作の不十分さが指摘され,誤概念修正のための教授ストラテジーやルールの操作練習の効果などが検討されてきた。本研究はそれらに加え,事例や課題のもつ具体的情報が知識の使用を阻害していることを指摘し,知識(ルール)のもつ機能的側面に着目した教授活動の重要性を指摘できたことに学術的意義がある。この知見は,実際の授業場面において,学習した知識を積極的に使用させる援助が必要であることを示唆するものである。
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