研究課題/領域番号 |
19K03242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
横地 早和子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (60534097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 創造性 / 芸術創作 / 創造的認知 / ずらし / 省察 / 熟達 / 探索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,芸術家の創造的な熟達過程の一端をとらえようとするものである.熟達すると創造性が阻害される等、両者の両立は難しいと考えられてきた.しかし,芸術家が継続的に創作活動を行う際に用いると考えられる「芸術創作プロセスのずらし」(岡田ら、2007)と,創作活動の経験等を振り返り捉え直す「省察」が,創造的な熟達過程において重要な役割を担うことが明らかになりつつある.ずらしは,いわゆる発想法とは異なり,既存の知識やこれまでの経験を踏まえて新しいことを考える等,多くの場面で人間が用いている通常の認知操作である.本研究は心理実験を用いて,ずらしと省察の関わりについて仮説検証を行う.
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研究成果の概要 |
本研究は,芸術家の創造的な熟達過程の一端をとらえることを目的に実施された。コロナ禍の影響により当初の計画を大幅に変更せざるを得ず,実施にも遅れが生じたものの,現代アーティストを対象に新たなアイデアに基づく作品制作過程の観察をおこない,創作の意図やテーマについてインタビューを実施した。また,「芸術創作プロセスのずらし」と「省察」の関係性を検討するための現場実験を実施した。得られたデータに基づき,芸術家の創造過程と,そこで生じる省察の種類などを分析し,創造的な熟達過程においてどのような機能を果たしている可能性があるのか解明を進める予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸術家を研究対象とすることは,時代の変化の最先端において彼らがどのように変化に対応し,高い創造性を維持し,新たな作品という価値を創造できるのかについて解明することである。それはすなわち,専門領域に習熟しているが故に創造性が低下するといったような,熟達と創造のトレードオフの問題について,芸術家がどのように対処しているのかを解明することに貢献する。加えて,プロフェッショナルの創造過程や創造的な熟達過程の解明は,専門教育への応用に留まらず,急激なスピードで変化し多様化する社会的価値に対応して,柔軟な発想で新たな価値を創造する21世紀型の人材育成を目指す教育現場への応用も期待される。
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