研究課題/領域番号 |
19K03252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
佐々木 惠美 筑波技術大学, 保健科学部, 客員研究員 (70251056)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 視覚障害 / 聴覚障害 / 大学生 / メンタルヘルス / 自殺予防 / 自殺予防教育 / スクリーニング / 発達障害 / 自殺 / 視覚障害学生 / 健康診断 / スクリーニング面接 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大学生のメンタルヘルス対策の重要性が指摘され、発達障害や精神障害を持つ学生への対応が求められている。一方、大学生の定期健康診断では内科診察は行われているものの、精神的健康についてのチェックは行われていない。このため、各大学ではUPI等のスクリーニングを行っているが、その後の呼出面接に応じる学生は少ない。 筑波技術大学では、視覚障害学生を対象として定期健康診断時にスクリーニング有所見者全員と面接を実施し、早期支援につなげている。 本研究では、大学生のメンタルヘルスの向上および視覚障害学生への支援を目的として、こころの状態スクリーニング面接が視覚障害学生の健康度に果たす役割について検討する。
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研究実績の概要 |
申請者が筑波技術大学保健管理センター精神科在任中に対応した9年間の統計をもとに、視覚障害学生のメンタルヘルスについて後方視的に調査した。また、自殺予防の観点から希死念慮や自殺企図について着目し、自殺関連行動について調査を行った。本学では学生全員が障害を持っておりピアサポートの場になっていること、学内高層階の施錠等の物理的対策、新入生へのメンタルヘルスの講義、健康診断時のスクリーニング面接による早期発見・早期介入、教職員の熱心な見守り等が、自殺予防に有効であった。介入後から昨年度まで自殺既遂者は0である。 コロナ禍の中で、大学生の自殺が増加したことが指摘されている(国立大学保健管理施設協議会報告)。オンライン授業が多く、友人や先輩とのつながりも持てず、課題に追われ、孤独を深めたといわれている。幸い本学では寮生活の学生が多く互いにサポートし合う環境にはある。また、昨年度は健康診断時のスクリーニング面接と自殺予防対策を含むメンタルヘルスの講義を対面で再開することができた。授業後のアンケートでは、「直接会えなくても繋がれるツールが一般に広がり、より広い人間関係を構築することができた」「リモートの活用は今後も継続して欲しい」等、コロナ禍の影響を肯定的にとらえる意見も散見されたことは興味深い。 昨年度の講義では、自殺の背景や心理・自殺のサイン・基本的対応・ゲートキーパーについて詳しく伝えるとともに、市販薬依存等の依存症、大学生に多い精神疾患について取り上げた。今年度も継続して授業を行う。 昨年度の健康診断時の呼び出し面接では、カウンセリングにつなげた学生が複数いた。今年度もスクリーニングを用い、高得点者はカウンセラーによる面接を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染対策のため、対面は講義と健康診断時の面接に限られ、調査を進めることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
・健康診断時に、スクリーニング高得点の学生への面談をカウンセラーに行ってもらい、医療の介入が必要なケースについて面接を行う。 ・メンタルヘルスの授業は対面で行う。自殺予防教育、ゲートキーパ、学生に多い精神疾患、依存症等について講義を行う予定である。 ・教職員に対し、学生のメンタルヘルスや自殺予防について啓蒙を行う。
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