研究課題/領域番号 |
19K03253
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
犬塚 美輪 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50572880)
|
研究分担者 |
田中 優子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30701495)
藤本 和則 近畿大学, 経営学部, 教授 (80424993)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | デジタルメディア / 誤情報 / 偽科学 / 他者の意見 / 理解 / 態度 / 批判的思考 / ディスコース理解 / 説得 / 印象形成 / Elablration Likery Model / 情報の信頼性 / 視覚的強調効果 / ディスコース / マルチメディア / ソーシャルネットワーク / 信頼性の低い情報 / 他者意見 / 志向 |
研究開始時の研究の概要 |
家庭など学校外でのインフォーマルな学習場面では,新聞や雑誌,テレビやインターネットなどの多様なメディアを介してディスコース(言語的に表現される内容)の理解と思考が重要である。こうした多様なメディアで提示される「デジタル時代のディスコース」には,信頼性の低い情報も含まれる。本研究では,信頼性の低い情報を理解・思考する際に,メディアの形式やソーシャルメディアなどによって提示される他者の意見がどのような影響を与えるかを実験的に明らかにするとともに,その結果に基づいた教育カリキュラムの提案を行う。
|
研究成果の概要 |
デジタル時代のディスコースでは,多様なメディアを介して真偽が不確かな情報が流布されやすい。本研究では,フェイクニュースや偽科学といった誤情報を題材とした実験・調査を実施し,次の2点を明らかにした。(1)訂正情報を提示する際に「正確さに留意する」ことを教示することの効果が相対的には低い(2)誤情報に対する他者の批判的コメントは,(a)否定的ニュアンスによって読み手の直感的な誤情報を信じる態度を低下させ,(b)本質的要素(反駁となる情報)によって読み手が誤情報を吟味する傾向を高める。また,教育実践に関しては,指導者の誤情報に対する態度や信念によって指導のあり方が影響されうることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェイクニュースや偽科学のような誤情報がインターネット上に頻繁に出現している。本研究は,「誤情報を受け入れるのを防ぎ,正しい情報に修正することができるか」という問いに関連する知見を提供した。第一に,一度信じた誤情報を修正するのが困難であることを文献研究から示し,実験から常に「正確さに注意せよ」という教示を常に行うことが最善とは言えず選択的な介入を行うべきである可能性を示した。第二に,誤情報に他者のコメントが付随することの効果を実証的に検討し,コメントが誤情報を否定する根拠を示すと,読み手の熟考が促進され,誤情報を信じにくくなることが示された。
|