研究課題/領域番号 |
19K03255
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中谷 素之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60303575)
|
研究分担者 |
梅本 貴豊 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50742798)
伊藤 崇達 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70321148)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 多文化共生 / 教室環境 / 外国にルーツのある児童 / 日本人児童 / 教師 / 学習過程 / 外国ルーツ児童生徒 / 外国ルーツ児童 / 児童 / 学級風土 / 動機づけ / 学習 / 適応 / 比較文化 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化する教室環境において、外国籍児童を含む教室環境をどう理解し支援するかは重要な教育課題である。また教育心理学領域で、近年注目される教室目標構造研究(ex. Patrick, Mantzicopoulos, & Sears, 2012)の知見を踏まえた研究の蓄積は重要であり、とりわけ多様性のある教室に関する研究は限られたものである。本研究では、教室環境のもつ動機づけ過程のメカニズムの質的・量的アプローチによる異なる教室環境間(日本人児童中心対外国籍児童の多いクラス)、そしてさらにその異文化間での比較(日米など)検討を行い、効果的な教室環境および指導方略について明らかにする。
|
研究実績の概要 |
グローバル化する世界のなか、外国人労働者の増加に伴って、学校における外国にルーツをもつ児童・生徒の数は急激に上昇している。特にわが国のなかでも中心的な工業地帯である東海・中部地域ではその傾向は顕著であり、学校にはさまざまな民族的・文化的背景をもつ児童・生徒がおり、教室の多文化化が大きく広がってきている。 これまでの教育心理学研究では、教室環境において児童のもつ文化的特徴や、その学習過程への影響について注目する視点はほとんどみられない。本研究課題では、わが国における多文化化する教室環境の特徴、そして学習過程への影響について実証的に検討している。 今年度の研究成果として専門書のなかで、多文化を含む教室環境と児童の動機づけに関する議論を、動機づけおよび自己調整学習に関する2冊の本の章のなかで執筆した。また、日本学校心理学会第25回大会(富山大会)では、特別講演『対話的学びと学校心理学』を行った。今日の文科行政のなかでひとつのキーワードとなっている「対話的学び」について、自己調整学習研究やピア・ラーニング、また多文化心理学研究の知見から議論、提案し、さらに自治体の実践例を紹介した。また2023年9月には、『外国にルーツを持つ子調査』として中日新聞に記事が掲載された。 その後の調査内容と分析の状況について、2019年度、2020年度の縦断調査の精緻な検討を進めているが、コロナ禍以降、学校での調査は倫理面や時間的コストのために困難になっており、オンライン調査を含め文化比較的調査の可能性について引き続き検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3年にわたるコロナ禍を経て、海外での学校調査は困難なものとなり、当初の計画を見直さざるをえない状況となった。教室における調査研究や観察研究は難しいが、海外における教師を対象としたオンライン質問紙調査などの実施により、共通の研究主題へのアプローチを引き続き検討しているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
研究推進にあたり、本研究の目的には実質的な変更はないが、コロナ禍を経て研究のアプローチ、手法については検討が必要である。具体的な方法としては、海外の協力者プールを有する調査会社において教師調査を行うことが考えられるが、金額的に大きなものとなり、調査設計、分量の精査が必要である。米国と中国のデータを念頭に、検討を進めていく。
|