研究課題/領域番号 |
19K03263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
小野寺 敦子 目白大学, 心理学部, 教授 (40320767)
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研究分担者 |
河野 理恵 目白大学, 心理学部, 教授 (40383327)
小澤 芳子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (60320769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中年女性 / エゴ・レジリエンス / 人生計画性 / 精神的健康 / 自己実現 / 夫関連ストレス / 子ども関連ストレス / 親関連ストレス / 中年男性 / 実母 / 介護意識 / 心理的葛藤 / 親 / 扶養意識 / 母親 |
研究開始時の研究の概要 |
日本は、平均寿命の伸長により超高齢化社会である。それに伴い、実娘と実母との関係性も50年以上にわたって続いている場合が増えてきている。本研究は,中年女性と高齢の実母との関係性が、中年期にある娘の自己実現欲求と実母の扶養意識にどのような影響をあたえているかを検討することを目的とする。この研究目的を達成するために,まず中年女性と実母との関係性尺度,自己実現欲求尺度および扶養意識尺度を作成する。次に自己実現欲求尺度と扶養意識尺度を使用して母親への扶養態度(葛藤群・自立群・伝統群・無関心群)を導き出す。そしてこの扶養態度に実母との関係性がどのような影響を与えているかを検討していく。
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研究実績の概要 |
中年女性は,家事や子育ておよび高齢の親の世話や介護といった様々な状況に直面しストレスフルな生活を送っている。そうした日常的なストレッサーに対し,エゴ・レジリエンス(以下ER)は柔軟に自我を調整しうまく対処し適応できる能力であるとBlock&Block(1981)は定義している。そこで2023年度の研究では、中年女性のERが,人生計画性や仕事・趣味に打ち込む意識を介して精神的健康に及ぼす影響を40歳代,50歳代,60歳代別に検討することを目的とするWEB調査を実施した。分析対象者は 既婚者で子どもがいる中年女性のうち実親か義理親が存命である725名(40代285名,50代261名,60代179名)であった。分析項目:(1)エゴ・レジリエンス尺度14項目(畑・小野寺;2013)(2)人生キャリア計画性尺度9項目(坂柳,1999)(3)WHO-5 精神的健康状態表 1998年版)(Awata,S.2002)(4)仕事や趣味への打ち込む意識:「現在,打ち込んでやっているもの(仕事・趣味など)がありますか」。(5)子ども時代の実母との関係性:「母親は暖かく親しみやすかった」。いずれの項目も4段階評定で回答を求めた。分析の結果、ER得点および人生計画性得点は、ともに60歳代の得点が50歳代・40歳代より有意に高かった。次にERがどのように人生計画性と精神的健康に影響を与えているかを検討するために共分散構造分析モデルをたて検討した。その結果、暖かく母親が接してくれたことによりERは育まれ,そのERが人生計画をしっかり立て仕事や趣味などの活動に積極的に注力することで良好な精神的健康に影響を与えて行くと考えられる。しかし40歳代女性は人生計画に積極的にコミットはしているが,家事や育児に多忙な年代であるため精神的に安定した生活を送れていないのではないかと推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
面接調査がコロナ感染症の影響および研究者自身がコロナ感染症に感染したために、2023年度に面接を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染症が落ち着いてきたこともあり、2024年度に本課題についての面接調査を実施することができる状況になってきた。そのため大学の倫理審査委員会に面接調査について審査を依頼し「承認」をいただけたので、今後は、その倫理規定を守りながら、面接調査を実施することができる状況になっている。また、これまでに実施してきた本課題について、審査のある論文への投稿を行う準備を進めているところである。さらには今年度の日本発達心理学会では、本課題に関連するテーマで実施してきた研究について学会発表を行う予定である。
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