研究課題/領域番号 |
19K03271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京電機大学 (2021-2022) 愛知淑徳大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
中村 紘子 (鈴木 紘子 / 中村紘子) 東京電機大学, 理工学部, 研究員 (30521976)
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研究分担者 |
眞嶋 良全 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50344536)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 擬人化 / 目的論的信念 / 思考の二重過程理論 / 思考の二重過程 / 認知の二重過程 / 二重過程 / 非科学的信念 / 認知の二重課程 |
研究開始時の研究の概要 |
自然現象を人に例えるといった擬人化を用いた説明は日常的に行われているが,擬人化が説明文の理解に及ぼす影響と認知過程は不明な点が多い。本研究では,認知の二重過程理論の枠組みをもとに,擬人化された説明文が直感的でヒューリスティックに基づく説明文理解を促進するか,熟慮的な深い説明文理解を促進するかを検討する。本研究を行うことで,「人らしい」対象がどのような認知過程を喚起するかを明らかにし,科学教育等における擬人化の適切な利用についての知見を提供することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、擬人化が科学的説明文理解に及ぼす影響を、自然現象が意図や目的をもって存在するという非科学的な目的論的説明の受容との関係から検討した。調査の結果、擬人化傾向、直感的思考傾向およびタイムプレッシャーによる認知負荷は非科学的な目的論の受容を促進し、熟慮的思考傾向は目的論の受容を抑制することが明らかになった。一方、擬人化されたイラストの使用は目的論の受容に直接的な影響を及ぼさない可能性が示された。非科学的な目的論の受容には挿絵といった外的な手がかりではなく、擬人化傾向や熟慮性、思考スタイルといった個人の思考傾向の影響が強い可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
事象の説明に擬人化を用いることはしばしば行われており、先行研究では、擬人化が認知的努力を刺激して理解を深めるという知見と、直感的な処理を促進するという相反する知見が報告されている。本研究の学術的意義は、擬人化および直感性が、非科学的な目的論の受容を促進し、熟慮性が目的論の受容を抑制するという、擬人化が文理解に及ぼす影響の一部を明らかにしたことである。また、目的論的信念の受容には、擬人化されたイラストは影響せず、個人の擬人化傾向や直感的思考の影響が大きいことなを示した。こうした知見は、科学教育の場での擬人化の適切な利用に応用可能であり、社会的意義があると考えられる。
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