研究課題/領域番号 |
19K03282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 奈良大学 (2022-2023) 大阪大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
金澤 忠博 奈良大学, 社会学部, 教授 (30214430)
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研究分担者 |
鹿子木 康弘 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30742217)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 超低出生体重児 / 発達障害様症状 / 発症メカニズム / 周産期リスク因子 / エピジェネティクス / 周産期因子 / 学齢期 |
研究開始時の研究の概要 |
出生体重1000g未満で出生し学齢期(8歳)に達した超低出生体重(ELBW)児を対象に心理・行動面の特徴について調べる。先行研究からはELBW児には発達障害様症状が高頻度で認められることが報告されており、本研究では、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害、など発達障害のスクリーニング検査や、その他の心理検査、行動観察、アイトラッカーなどによる注意の評価を行い、ELBW児における発達障害様症状の特徴を明らかにすると共に、対象児に含まれる一卵性双胎と二卵性双胎の比較、周産期リスク因子が発達障害様症状の発現に及ぼす影響の分析からエピジェネティクスの過程の関与について明らかにする。
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研究実績の概要 |
平均年齢8.5歳の極・超低出生体重児221名について発達障害様症状の出現率を調べたところ、ASD様症状は31名(14.03%)、LD様症状は59名(26.70%)、ADHD様症状は50名(22.62%)、ADHDのうち多動-衝動優性型は18名(8014%)、不注意優勢型は43名(19.46%)、混合型は33名(14.93%)であった。WISCⅣの全領域IQが70未満は36名(16.29%)、80未満のBorderlineは28名(12.67%)であった。合わせて64名(28.96%)をMD群とした。検査の結果発達障害様症状が見られなかった児は92名(41.63%)であった。発達障害様症状に及ぼす周産期因子について分析したところ、脳室内出血(IVH)3-4度の児はASDのリスクを示すASSQの得点が有意に高く、平均値でカットオフを上回った。全領域IQ並びに非言語性IQについても同様に、IVH3-4度の児では、平均で75を下回った。多胎児は単胎児に比べIQが有意に高かったが、一方でASSQ得点も高かった(平均値はカットオフに達しなかった)。脳室周囲白質軟化症と慢性肺疾患の既往がある児は非言語性IQが有意に低かった。ADHD尺度の得点については、APGARスコア(1分)が低いほど高くなる有意傾向が認められた。LD尺度(PRS)の得点については、IVH3-4度の児では、言語性、非言語性、全領域全ての得点が有意に低く言語性以外は平均値がカットオフを下回った。さらに、未熟児網膜症の既往がある児は非言語性LDの得点が引かった。これらの結果は、極・超低出生体重児の学齢期の発達障害様症状の発現に周産期因子がエピジェネティックにかかわっている可能性を示している。
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