研究課題/領域番号 |
19K03284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上手 由香 (小嶋由香) 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20445927)
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研究分担者 |
木谷 智子 比治山大学, 現代文化学部, 講師 (70816230)
安部 主晃 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (80804319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 被爆2世・3世 / 原爆 / 許し / トラウマ / ポジティブ心理学 / マインドフルネス / 平和 / 健康不安 / 戦争 / 被爆二世・三世 / 寛容性 / 児童養護施設 / 世代間伝達 / 平和教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,原爆被爆体験の次世代への心理社会的影響を明らかにし,心理学的観点から「平和」を捉え直し,得られた知見の平和教育への還元を目的に,以下の3点を検討する。 1. 原爆被爆体験の次世代(二・三世)への心理社会的影響について,負の側面だけでなく,世代を超えてトラウマ体験を乗り越えてきた心理的働きに着目し,ポジティブ心理学の観点から検討する。 2. 平和に対する認識を測定する尺度を開発し,個人の平和の認識と状態に関連する要因を,親世代・個人のトラウマ体験の有無や性格特性などの観点から検討する。 3. 心理学の知見を取り入れた心理学的平和教育プログラムを開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は,原爆被爆による次世代への心理的影響について,ポジティブ心理学的観点から検討すること,新たな心理学的平和教育プログラムの構築を目的とした。ポジティブ心理学的観点としては,本研究では加害者への許し・寛容性に着目した。質問紙による調査結果から,被爆者の子孫が有するポジティブな資質として,自分を傷つけた者に対する感情面あるいは行動面における寛容性が見られる可能性が示された。また,被爆2世と3世では,健康不安において異なった反応を有する可能性が示された。心理学的平和プログラムの構築では,複数の心理的課題に対し,マインドフルネスを用いたプログラムを実施し,一定の効果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原爆が人類史上に残る歴史的な被害体験であるにも関わらず,その子孫にどのような影響をもたらすかは,心理的影響についてはほとんど目が向けられてこなかった。本研究は被爆者の子孫に対する心理的影響について,ネガティブな面だけでなく,ポジティブな側面にも着目したものであり,歴史的トラウマからの回復やレジリエンスに対する重要な知見を提供できたと考えられる。また,本研究が着目した加害者への許しについては,原爆や戦争の被害者だけでなく,より日常的な対人関係における被害体験からの回復やメンタルヘルスの向上にも重要な視点であり,社会的意義という点からも,今後幅広く検討することが望まれる。
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