研究課題
基盤研究(C)
インターネットの普及にともない,インターネット依存(Young, 1998)やGaming disorder(WHO, 2018)といった心理的問題への対応の必要性が謳われている。これまで,インターネット依存に関連する要因として,インターネットの使用に関する非適応的な認知,ストレス対処スキル等に関する問題が挙げられている。そこで本研究では,青少年におけるインターネット依存に関する非適応的な認知,ストレス対処および情動調節スキルが依存傾向に及ぼす影響について検討し,得られた結果を基に,インターネット依存の予防を目的とした心理教育プログラムの開発を目的とする。
本研究の目的は、青少年を対象とした認知的要因(考え方のスタイル)に焦点を当てたインターネット依存予防プログラムの開発であった。まず、大学生約1,000名を対象とした調査より、昼夜逆転傾向とストレスはゲーム依存を促進することが示された。次に、小中学生約2,000名を対象とした調査により、全体の7.3%がゲーム依存度のCutoff値以上の割合を示していること、依存を促進する認知として、友人関係の不安やゲームのストレス低減に対する有効性認知などがあることが示唆された。これらを踏まえ、ゲーム内での友人関係、ストレス対処レパートリーの拡充を目的とした授業案を作成し、小・中学校2校での実践を試みた。
本研究では、国際疾病分類第11回改訂版(ICD-11)に追加された「ゲーム障害」のリスク要因として、ストレス対処や生活習慣の問題がみられること、また、特に本邦の青少年の特徴として、ゲーム内における友人関係の不安の高さがゲームへの依存に影響を及ぼしていることが明らかとなった。また、ゲームのプレイ自体ではなく、ゲームの使用をセルフコントロールすることを主眼に置いた、心理教育プログラムの知見に基づいた予防プログラムの有効性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Journal of Affective Disorders Reports
巻: 6 ページ: 100282-100282
10.1016/j.jadr.2021.100282
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