研究課題/領域番号 |
19K03313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
河野 直子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (30583835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 実行機能 / 認知予備能 / 神経心理学的検査 / 軽度認知障害 / 後期高齢者 / 認知症 / MCI / 超高齢者 / 加齢 / 後期高齢期 / 超高齢期 / 病的認知機能低下 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の高齢化率は28%に迫り, 特に後期高齢者率が伸びている。後期高齢期はアルツハイマー病などによる認知機能低下を示す割合が高く, 効率的に介護予防や早期介入を進めるために認知機能障害の兆しを障害進行前に捉える方法が必要とされる。しかし, 診断時に活用される神経心理学的ツールに関して, 後期高齢者に適応可能なものはごく限られている。正常な加齢変化と障害の区別に必要な健常標準成績が得られていないことがひとつの原因である。本研究では, 国内で流通する主要な認知症/軽度認知障害の評価ツールについて75歳以上の後期高齢者の健常標準値を収集し, 信頼性・妥当性の検討結果とともに提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では「後期高齢期および超高齢期における病的な認知機能低下とは何か」について、前期高齢期との比較や認知症の標準的診断基準の限界を検討する視点 から探索し、後期高齢期・超高齢期における健康な老いと認知症疾患とを切り分ける上で核となる特徴を切り出すことを目指す。 令和五年度は、第一に、実行機能の加齢変化との関連を検討する実験室実験の解析を昨年度に引き続き行った。具体的には、加齢が、実行機能駆動下での視覚探索効率に与える影響を検討した。さらにこの検討をタイムプレッシャーを与えない条件と与える条件とで比較した。課題条件の難易別に反応時間と視覚探索の効率との関係に着目した検討から、二重課題条件と時間圧の制御によって、高齢者が自らの抑制機能の低下を補償し、複雑な状況下で探索効率を保つ有様の一過程を実験的に再現することができる可能性があることを見出した。 第二に、神経心理学的な検査によって得られる指標が実生活上の道具的ADL変化をどの程度、予測可能かを検討し、予測精度を下げる要因を検討する視点から、若齢運転者及び中高年、高齢運転者を対象とした実験室実験を行った。具体的には、注意・実行機能側面を評価する指標として時計描画検査及び修正版サイモン課題の妥当性検証を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年目まで新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を大きく受けたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始当初は、軽度認知障害(MCI)検出のために使用される記憶、視空間認知、注意・実行機能の認知領域別の詳細検査について、特に後期高齢者、超高齢者の検査結果に干渉する感覚障害(見えにくさおよび聞こえにくさ)に着目して検討を進めてきた。これらについては同時並行的に行われてきた他の研究によって課題解消された部分も多く、次なる干渉要因として認知予備能の影響に着目し、特に多くの具体的な課題に影響を与えると考えられる「注意・実行機能」の特性に対象を絞って検討を深めている。また生態学的妥当性の観点から、認知領域別の詳細検査が日常生活上の具体的な道具的ADLに与える影響についても、自動車運転に着目する形で検討を進めている。
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