研究課題/領域番号 |
19K03323
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 大阪教育大学 (2020-2023) 福山市立大学 (2019) |
研究代表者 |
山口 正寛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90583443)
|
研究分担者 |
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20549620)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | DPICS / 相互作用 / 直接観察 / 親子間相互作用 / アセスメント / 観察 / アタッチメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,直接観察に基づく親子間相互作用の評価方法の確立を目指し,その臨床的な応用可能性を探る。本研究ではDyadic Parent-Children Interaction Coding System (DPICS)で測定される変数と親と子の心理社会的変数との関連を検討し,次の4点を明らかにする。①乳幼児とその親における遊び場面に見られる相互作用の特徴,②親と子それぞれの心理社会的変数とDPICS変数との関連,③一般群とハイリスク群のDPICSデータの比較検討,④DPICSにおける臨床的問題の予測可能性と介入による変容可能性を検討する。
|
研究実績の概要 |
前年度においては,母親と子どもにおける親子対相互交流評価システム(Dyadic Parent-Children Interaction Coding System; DPICS)における特徴的な相互作用パターンを検討した。本年度は続いて前年度中にコーディングを行った父親と子どもにおけるDPICSと前年度における母親と父親におけるDPICSとの相違を検討した。具体的には母子及び父子におけるDPICSのそれぞれについて逐次分析を行い比較検討した。 その結果,子ども主導の遊び場面(Child-Led Play: CLP)においては父母間で行動連鎖の出現率に有意差は認められなかった。親主導の遊び場面(Parent-Led Play: PLP)では,親の直接的命令に対して子どもが指示に従う→親の直接的命令に対して子どもが指示に従わないという行動系列について父親条件よりも母親条件の方が有意に高く,親の直接的命令に対して子どもが従う機会がない→親の否定的会話という行動系列について母親条件よりも父親条件の方が有意に高かった。お片付け場面(Clean-Up: CU)では,親が子どもの行動を説明する→親の直接的命令に対して子どもが従う機会がないという系列と親の直接的命令にたいして子どもが従う→親の直接的命令に対して子どもが従わないというの系列について父親条件よりも母親条件の方が高く,親が子どもの言葉を繰り返す→親による中立的会話の系列について母親条件よりも父親条件の方が有意に高かった。 本研究の結果は,父親と母親が子どもとの相互作用において異なるコミュニケーションスタイルを持っていることを示唆している。母親はより指示的で直接的なアプローチを取る傾向にあり,父親は子どもの発言を反映させ,会話を促進するスタイルを取ることが多いと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画初年度からCovid-19による感染拡大による影響と研究代表者の異動にともない,全体的な計画が遅延している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究全体の計画を修正し,新たなデータを収集せずにすでに収集済みのデータや公開されているデータを比較検討することにより,DPICSの心理計量学的特性を検討していく。具体的には,研究代表者が収集・分析したデータと海外における既存のDPICSデータをメタアナリシスなどによって比較検討し,DPICSにおける文化的差異やDPICSを日本に適用する際の留意点について検討していく。
|