研究課題/領域番号 |
19K03333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2020-2021) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2019) |
研究代表者 |
西川 典子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70403813)
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研究分担者 |
新明 一星 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 脳神経内科診療部, 科研費研究員 (80745688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 認知行動療法 / 精神症状 / 生活の質 / 不安 / 不安症状 / 不安障害 |
研究開始時の研究の概要 |
PDの非運動症状として精神症状は頻度が高くQOLの 低下や予後悪化因子となるため, 適切な治療介入が望まれるが現状の治療は十分ではない. PDの精神症状の中で高頻度に出現するのはうつや不安であるが、不安に着目した調査や治療介入はほとんどない。 当施設は非薬物治療としての認知行動療法(CBT)を施行できる限られた施設である。 当研究において、我々は本邦における不安の実態調査を行いその特徴を明らかにする。次に不安の治療としてCBTを行い, 有効性を多角的に評価する。本邦初となるPDに対するCBTの科学的なエビデンスを示し, CBTの普及につなげたい。
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研究成果の概要 |
不安症状を有するパーキンソン病(PD)患者32例に対して、waiting list方式による比較試験を実施した。2人が同意撤回、2人が抑うつの悪化により中止となり、28人が遂行し得た。CBT介入により不安スケール(HAM-A)は変化なかったが、うつスケール(HAM-D)と生活の質(PDQ-39)は有意に改善した。重度な有害事象は認められなかった。この検討により、オンライングループCBTの実行可能性と、PDの抑うつや生活の質に対する有効性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)では非運動症状として精神症状を伴う頻度は高く、抑うつや不安はPD患者の生活の質や疾患予後にも影響する。しかしPD患者の精神症状に対して薬物治療は十分奏功しておらず、また患者の抗うつ薬や抗不安薬を内服することへの抵抗感も強い。今回、非薬物治療である認知行動療法がPDの精神症状や生活の質の改善に有効であることを示した。これにより、患者に有用でかつ受け入れやすい認知行動療法が、PD治療の選択肢の一つとなり得るため、有意義であるといえる。
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