研究課題/領域番号 |
19K03335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
三上 謙一 北海道教育大学, 保健管理センター, 教授 (90410399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DMM-AAI / 心理療法における変化のプロセス / アタッチメント方略 / カウンセリング / アタッチメント / TAAI / 変化のプロセス / 心理療法 / AAI / 青年期 / 効果測定 / 親子関係 / アセスメント / DMM / 心理療法過程 / 臨床心理学 / 成人アタッチメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①クライエントの病理(症状や問題行動)とアタッチメント方略との関連、②クライエントのアタッチメント方略によってセラピストの介入がどのように異なるのか、③心理療法が行き詰った時にDMM-AAIを使用することによって行き詰まりを克服するのに役立つのか、④DMM-AAIによって心理療法によるアタッチメント方略の変化を測定できるのか、について(a)学生相談のクライエントに対して、(b)DMM-AAIを用いることによって、実施することを目的とする。
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研究成果の概要 |
クライエントにTAAIを実施した結果は、カウンセリングに対してとても真面目で従順であったこと(A4)、強迫的従順方略(A4)が父親の喪失に際して喪の作業を妨げて、結果として喪失は未解決のままになり、抑うつ状態に至ったという発症のプロセス、さらにはそれにもかかわらずA4からBへと変化のプロセスの準備段階にあることを示していた。彼のカウンセリングは比較的短期間で終了したが、それはカウンセリングによって、A4方略によって強く抑制していた父親の喪失をめぐる感情を安全な形で表現できたことが抑うつ状態の軽減につながっためであると思われる。さらにそれはBタイプへの方略の再構成にもつながったことが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は第一に日本で始めてDMM-AAIの青年期版であるTAAIを用いた研究であるという点にある。研究によると従来のAAIは青年期の心理的課題に適切に対応していないことが示唆されている。そのため青年期のアタッチメントをより正確に分類するためにTAAIのさらなる研究が期待される。第二に本研究からTAAIの分類結果が心理療法におけるクライエントの変化のプロセスに極めて関連が強いことが示唆された。このことからDMM-AAIやTAAIを心理療法のアセスメントとして使用することで、クライエントの迅速な治療的変化のためにどのような介入が必要であるのかを考えることができる、ということが示唆される。
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