研究課題/領域番号 |
19K03355
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山本 和美 関西医科大学, 医学部, 研究員 (30838149)
|
研究分担者 |
蓮尾 英明 関西医科大学, 医学部, 教授 (00460824)
瀬戸 奈津子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (60512069)
青木 早苗 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (40516168)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | マインドフルネスストレス低減法 / 乳がん患者 / 婦人科がん患者 / 身体・心理的主観的評価 / 心拍変動 / QOL |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんは、女性におけるがんの中で罹患数が最多であり生存年数が長い。がんになると治療に伴う身体的苦痛に加え、ライフスタイルの変更、後遺症や再発不安を抱えて生きることを余儀なくされ、身体的・心理的・実存的痛みを伴う。 様々な困難があっても、今の経験をありのままに落ち着いて受容できる心のあり様が育くまれると、適切な身心のセルフケアが可能になり、生活の質の向上が期待される。この心のあり様を育む方法として、欧米ではマインドフルネスが広く取り入れられている。 日本においてもその可能性を検証するため、乳がん患者を対象にマインドフルネスストレス低減法を実施し、心理的・生理的効果を検証する。
|
研究実績の概要 |
日本において医療機関でのがんの根治的治療終了後のがん患者は、定期的な通院以外は病院からのサポートは得にくい現状がある。身心のケアは患者個人の自己管理に任され、長期にわたり再発不安を抱えながらの生活を余儀なくされる。家族や身近な人にもがんの悩みは共有しにくく、生活の質に否定的な影響が及ぼす可能性が大きい。欧米の医療機関では、がんサバイバーへの様々な身心のサポート体制が構築されており、その中の一つとしてマインドフルネスは、患者が自らの身心をセルフケアする力を養う方法として広く提供されている。 本研究では、関西医科大学附属病院の乳腺外科および婦人科で治療を受けたがんサバイバーを対象にセルフケア能力を高めて、生活の質を向上する目的でマインドフルネス・ストレス低減法(以下MBSR)プログラムを実施し、実施可能性および有効性の検証を目的とした。 コロナ禍での対面実施が困難となり、オンライン実施に変更し倫理審査委員会の変更承認を得た後、両科の医師の協力を得て、2回(3名+6名)MBSRプログラムを実施し、前後で身体・心理的効果の評価を行った。 マインドフルネス、セルフ・コンパッション、自覚的ストレス、がん患者のQOLおよびスピリチュアリティ、不安および抑うつ全ての指標において、中から大の効果量を示した。特にQOLおよびスピリチュアリティの効果が顕著であった。また自由記述からは、身体症状の改善と対応の工夫、心理面での改善、病との関係、生きる姿勢など様々な肯定的な感想が得られた。心拍変動の分析は解析途中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者の募集は、乳腺外科および婦人科医経由および外来設置のリーフレットを介して行っている。主治医が多忙な診察時間を割いて本研究の説明および参加要請の労を取って頂いているが、プログラム参加への時間的制約はコロナ禍によるオンラインへの変更によりインターネット環境やパーソナルコンピューターの使用に不安があるなどの理由で参加を辞退されるなど協力者の獲得が困難な状況が続いている。 そのような状況ではあるが、2022年度は合計9名のMBSRプログラムに参加者を得た。しかしまだ目標症例数に至らないため、引き続き研究協力者の募集を行いプログラムを実施・評価する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
目標症例数に達していなかったが、コロナ禍の特例により研究期間の1年再延長が認められたため、引き続き研究協力者を募りMBSRプログラムを実施・評価を行う予定である。
|