研究課題/領域番号 |
19K03356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
上野 淳子 四天王寺大学, 社会学部, 准教授 (90460930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 恋人による被支配感 / デートDV / DV / 男性被害 / カップル調査 / 暴力被害 / 尺度作成 / IPV / 被害 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
デートDV(交際中のカップル間の暴力)の調査では、一般的なイメージとは逆に男性の方が暴力行為を多く受けていることが示されてきた。しかし、暴力の本質は暴力行為ではなく、暴力行為から生まれる支配ー被支配関係である。暴力行為を受けた頻度に加え、恋人の顔色をうかがってびくびくすごすなど恋人に支配されている程度を考慮すれば、男性は暴力行為を受けても支配されにくいのか(軽い被害)、軽視されがちな精神的暴力に相手を支配する大きな力があるのか(重大な被害)、などを検証できる。本研究では、恋人に支配されている程度を測る方法を確立させ、交際中のカップルなどを対象とした調査を行い、デートDV被害の仕組みを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、恋人による被支配感尺度を作成し、パートナーから暴力行為を受けているかとパートナーに支配されているかを分けて捉えることで、一般に認識されているようにデートDVは女性の方が男性より被害が多いのかを検討することである。デートDVとDVの比較、異性カップルと同性カップルの比較も行い、ジェンダーと親密な関係における暴力の対応について明らかにしようとしている。 2023年度は、前年度に実施したカップル調査の参加者のうち、フォローアップ調査への参加も承諾したカップルに対するフォローアップ調査を実施した。カップルとしての交際が継続しているか否かにかかわらず参加できるよう、参加依頼は個人に対して行った。この調査は最初の調査に参加した時期に合わせて実施したので、4月から12月までかかった。しかし、実際に応じた参加者は少なく、統計解析を行うのに十分なデータを収集することはできなかった。 また、前年度までに実施した調査結果の成果発表も行った。カップル調査のデータを分析し、被害-加害と支配-被支配は双方向であり、男性が女性の精神的暴力で支配されるという結果を得たので、それに関して学会発表1件を行った。 さらに、成人前期の異性カップルでは男性が女性より多く暴力行為を受け支配されているというインターネット調査の結果に関する論文を執筆し、2023年度はじめに学会誌に投稿した。その論文が修正再審査を経て採択され、2024年度4月に発行される学会誌に掲載されることになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、カップル調査を2021年度に実施することになっていた。しかしコロナ禍のために参加者を募集することができず、2022年度に実施がずれこんだ。その上、2022年度もコロナ禍の影響が残り、参加カップルが一定数以上となるのに予想以上に時間がかかり、調査期間が年度末までと長期化した。そのため、フォローアップ調査の実施も当初予定より大幅に後ろ倒しとなり、2023年末までかかった。
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今後の研究の推進方策 |
恋人による被支配感尺度の作成に関する論文と、異性カップルと同性カップルにおける暴力 被害を比較した論文を執筆し、投稿する。 カップル調査のデータを用い、ジェンダー観が被支配感に与える影響についての学会発表を行う。 学会誌に掲載される男性被害に関する論文の抜き刷りを、本研究の成果報告として関係各所に送付する。
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