研究課題/領域番号 |
19K03358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
小原 依子 神戸女子大学, 心理学部, 教授 (40388319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 音楽療法 / リハビリテーション / 評価表開発 / 効果判定 / マニュアル / パーキンソン病 / プログラム開発 / 高齢者 / 臨床心理学 / 尺度・マニュアル |
研究開始時の研究の概要 |
筆者が独自に開発を行った「音楽療法チェックリスト評価表(MTCL-YK)」をさらに多様な適応疾患・障害への適用を可能にするため、これまで、全国的に音楽療法が重要視されている対象領域である「高齢者用」(MTCL-YK(S)、「注意障害用」(MTCL-YK(DOA)、「パーキンソン病用」(MTCL-YK(PD))の開発・作成を試みてきた。本研究では、この3種類の評価表共通の「マニュアル作成」を行うことを目的とする。「マニュアル作成」とは、検証された評価表の「信頼性」が各実践現場で維持されるために、最も重要な手続きとなる。これにより、より広い実践現場での実用化が可能となる。
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研究実績の概要 |
近年、医療面でも注目され臨床応用されてきている「音楽療法」は、少子高齢社会対策や予防医学、健康増進の推進の動向にも伴い、福祉、保健、教育場面で 大きな拡がりをみせている。今後ますます社会への定着を図るには、その効果の科学的裏付けが求められる。これまで、研究代表者は独自に開発を行った「音楽療法 チェックリスト評価表(MTCL-YK)」をさらに多様な適応疾患・障害への適用を可能にするため、全国的に音楽療法が重要視されている対象領域である「高齢者対象」(MTCL-YK(S))、そして「注意障害対象」(MTCL-YK(DOA))、「パーキンソン病対象」(MTCL-YK(PD))の開発・作成を試みてきた。本研究では、この3種類の評価表 共通の「マニュアル作成」を行うことを目的としている。 効果判定の尺度開発とマニュアル作成には「有効なプログラム実施」が大前提となる。令和2年度より新型コロナウイルスの感染対策を考慮した新たな音楽療法プログラムが求められ、「フォルメン線描」を導入したアプローチを開発した。その有効性が認められたことから、令和5年度は、特にパーキンソン病の「症状」に応じたプログラムの検討を進めた。これらの開発を積み重ね、もう1つのリハビリテーション病院での臨床研究の連携を図ることが可能となった。同時に、感染対策を考慮した新たなプログラムを実践継続する中で、MTCL-YK(PD)の構成項目のうち、特に「P-F(non-verbal)」の視線を中心とした下位項目について、対象者のアセスメントにおいて着目すべき点が新たに明らかとなり、研究協力者間で上位・下位項目の精査を行うことができた。そして、MTCL-YK(DOA)・MTCL-YK(S)の同評価項目も統一を図ることで、より信頼性・妥当性の高い3種類の評価表が完成した。2つのリハビリテーション病院での実用化に至っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究における連携施設である2つの高齢者施設の音楽療法実践は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり令和6年度4月現在も再開の見通しはたっていない。そのため、本研究第Ⅰ段階のMTCL-YK(S)のマニュアル作成の手続きは予定していたように進めることはできなかった。またこれまでリハビリテーション病院において、MTCL-YK(DOA)・MTCL-YK(PD)のマニュアル作成手続きを進めてきたが、音楽療法実践自体が中止になった期間が出現し、その後再開しても「歌わないセッション」が求められ、従来のプログラム実施が難しい期間も続いた。本研究の目的である「効果判定の尺度開発とマニュアル作成」には各臨床実践現場における有効なプログラム実施が大前提となる。「フォルメン線描」を導入した新たなプログラムを開発し、その有効性が示唆されたことから、リハビリテーション病院において新たな音楽療法プログラム実践を進めながら、マニュアル作成手続きを再開している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、リハビリテーション病院での音楽療法プログラム実践を継続しながら、MTCL-YK(DOA)・MTCL-YK(PD)のマニュアル作成を進め、「MTCL-YK用共通マニュアル」の土台となる構造の作成を目指す。また同時に、効果判定の評価尺度開発とマニュアル作成の大前提となる「有効なプログラム実施」のための有効性検証も並行して行っていく予定である。
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