研究課題/領域番号 |
19K03360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 いつ子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30760665)
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研究分担者 |
澤原 光彦 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80196998)
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (20549620)
林 秀樹 就実大学, 教育学部, 講師 (70827732)
岡野 維新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10824021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | シェアリング / コラージュ / 感情の社会的共有 / 発言数 / 発言内容 / コミュニケーション / グループ活動 / 肯定的感情 / コラージュ制作 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,シェアリングの効果,特に参加者間のコミュニケーションが活性化されるための条件については,十分に検討されていない。そこで本研究では,制作活動の内容は同じでも,制作表現の自由度が異なる活動が,参加者間のコミュニケーションの量と質に及ぼす効果について検討することを第1の目的とした。また,シェアリング前後の参加者の肯定的感情状態とシェアリング時の参加者間のコミュニケーション内容の関連を明らかにすることを第2の目的とした。 本研究によって,参加者の肯定的感情を高め,参加者間のコミュニケーションを促進するシェアリングの実施に有効な知見を得られると同時に制作活動の活性化に波及するものと期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は参加者同士の会話を量的かつ質的に活性化しうるシェリングの条件を明らかにすることである。コラージュ制作の活動的意義は、参加者が自身の感覚や好み、創造性を反映した作品を制作できることで、参加者の気分に活気をもたらし、肯定的に変化させうる点である。2019年度は、2つの実験を行い、2020年度にコラージュ制作の活動的特徴がシェアリングでの参加者同士の会話の量と質にどのような影響を及ぼすのかを検証した。実験1・実験2として、コラージュ制作を構成する「材料選択」と「材料の組み合わせ」の制限の有無を設定した。4人1組でコラージュ制作とシェアリングを実施した。シェアリング時の参加者の発言数と発言内容について、群間比較した。 (1)自由コラージュ群:材料選択および組み合わせに制限がないコラージュ制作群 (2)制限コラージュ群:材料選択および組み合わせがともに制限されたコラージュ制作群 (3)選択制限コラージュ群:材料選択は制限されるが組み合わせは制限されないコラージュ制作群 (4)組み合わせ制限コラージュ群:材料選択は制限されないが組み合わせは制限されるコラージュ制作群 2021年度は、これまで収集したデータの分析と考察を行った。コラージュ制作条件における制限の種類によって、シェアリングでの発言数には有意な差は認められず、発言内容については差異が認められたもののコラージュ制作条件の違いによる発言内容の特徴について、予定していた分析方法では十分に明らかにできなかった。2022年度は、シェアリング内容の分析をすすめ、シェアリング全体で制作条件による会話内容や参加者間の共感に質的な差があることが示された。2023年度はシェアリング内容の質的な分析をすすめ、自由コラージュ群が制限コラージュ群に比して、感情の社会的共有に関する発言量が多いことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験の開始にあたり、2019年度に予備実験を組み込んだことで、本実験の実施が遅れた。予備実験の結果、実験手続きに修正の必要が生じ、検討に時間を要した。また、実験協力者とのスケジュール調整に時間を要した。2020年度は新型コロナウィルス感染症対策の影響で実験の継続が難航したことに加え、データの分析方法について再検討の必要性が生じた。2021年度および2022年度は実験結果のまとめと論文化、さらに実験調査を再開する予定であったが、分析方法検討のため、情報収集と検討に時間を要した。2023年度は分析方法を変え、論文化を進められたが、新たな実験の実施には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータをまとめ分析をすすめる。加えて、実験1・2の結果をまとめ、手続きと条件設定を修正し、実験3を行う。本実験3は、大学生および大学院生を対象に、4人1組で本実験1・2で明らかとなった参加者間の会話を促進しうる条件によるコラージュ制作を行い、その後シェアリングを実施する。実験3では、参加者の感情の社会的共有についてシェアリングでの方法が異なる条件群を設定し、シェアリングでの参加者の発言量及び参加者の感情の社会的共有による効果について群間比較を行う。本実験3を行うことで、参加者間の会話量を増やし、参加者の感情の社会的共有を促進しうるシェアリングの条件を明らかにする。実験協力者とのスケジュール調整は、日程に余裕をもって行い、新型コロナウィルス感染対策は状況に応じて適切に設定し、実験手続きに関して倫理委員会の承認を得たうえで、実験協力者の同意を得て進める。実験結果については論文化する。
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