研究課題/領域番号 |
19K03362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 九州ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
有村 達之 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (80264000)
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研究分担者 |
田代 雅文 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (60264305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 慢性痛 / 慢性疼痛 / 認知行動療法 / マインドフルネス / マインドフルネストレーニング / 介入研究 / ランダム化比較試験 / 第三世代認知行動療法 / 臨床研究 / RCT / エビデンスに基づいた臨床心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性痛とは損傷の治癒後や損傷の存在なしに持続する痛みで、しばしば難治化し患者のQOLを損なう。主に薬物療法等身体医学的な治療法によって治療されていることが多いが治療効果は不十分であることも多い。 近年、欧米でマインドフルネストレーニングという慢性痛への心理学的介入法が開発され、慢性痛への一定の効果があるとされる。マインドフルネスとは痛みなどの不快感やストレスについて、客観的に「気付いており」、ストレスを受け入れているという心理状態である。本研究は慢性痛に対するマインドフルネストレーニングの効果についてわが国でのエビデンスを構築することを目的とするものである。
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研究成果の概要 |
本研究はわが国の慢性痛患者に対するマインドフルネストレーニングの介入効果についてエビデンスを得るのが目的である。プライマリーエンドポイント(主要評価項目)を設定し、RCT実施のためのサンプルサイズ計算を行った。先行研究を参照し主要評価項目を痛みによる生活障害(PDASによって評価)とした。PDASを主要評価項目とした場合、必要なサンプルサイズは52-186名であった。また、介入プロトコールに基づいて4名の患者に個人療法を行い、実行可能性を検討したところ、4名中3名でPDASの改善を認め、個人療法によるマインドフルネストレーニング介入研究の実行可能性について有望な結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国では慢性痛を有する人の割合は全国民の13.4-26.4%にのぼるとされている(川口,2022)。慢性痛は生活の質を低下させ、仕事の生産性を低めることから、日本だけではなく世界中の国々で慢性痛は社会問題となっている。また、慢性痛に対しては従来の生物医学的治療の効果が上がりにくいことも指摘されており、慢性痛に対して効果的とされる治療法の開発や有効な治療法の診療報酬化が指摘されてもいる(川口,2022)。本研究での成果はRCTによる慢性痛に対する認知行動療法(マインドフルネストレーニング)のエビデンス創出の可能性を示したと考えられる。
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