研究課題/領域番号 |
19K03374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 時間帯制限摂食 / 食物誘発性肥満 / ラット / 砂糖ペレット / オペラント条件づけ / 砂糖 / 体重増加 / 時間制限摂食 / 肥満 / 条件づけ |
研究開始時の研究の概要 |
ラットを高脂肪の食物や糖分の高い食物が常に摂取可能な状態で飼育すると肥満になる(食物誘発性肥満)。しかし、食物が摂取可能な時間帯を活動期(暗期)の12時間内に制限すると(時間帯制限摂食)、摂取カロリーは変化しないにもかかわらず、肥満は大幅に緩和される。この現象には条件反応としてのインスリン分泌が関係している可能性がある。そのため、ラットを長期飼育できるオペラント箱型装置を用いて実験を行い、食事の時間帯、食事の開始を信号する刺激の有無といった変数を操作し、食事量や摂食パターン、体重の変化、さらにホルモンの分泌量といった変数への影響を検討する。これにより、時間帯制限摂食の効果を高める手段を探る。
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研究成果の概要 |
マウスやラットは高脂肪食や高糖分食が常に摂取可能な環境では肥満になる。ただしこれらの摂取機会を活動期(暗期)に制限すると摂取カロリーは減少しないが肥満が緩和される。本研究ではラットを対象に栄養バランスのよい飼料の摂取は制限せず、砂糖の摂取機会を制限した。 実験1では砂糖を1日4回提示した(1回あたり60分間)。非制限群では暗期と明期で2回ずつ、制限群では暗期に4回提示した。その結果、摂取カロリーは制限群で高い傾向があったが、体重には差がなかった。 実験2では砂糖提示をを1日1回のみとし、明期群では明期に暗期群では暗期に与えた。その結果、摂取カロリーには差がなかったが、体重は明期群が重くなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスやラットのような齧歯類だけでなく、人間においても食物摂取を活動期(人間では昼間)に限定することで肥満は緩和される。しかし、現代の人間の生活において朝から夜までの摂食を毎日活動期の昼間に収めるのは難しい場合が多い。 これに対して本研究の結果は、すべての摂食を昼間に収めなくても、砂糖のような高カロリーの食物の摂食を昼間に制限することでも体重の増加を抑制できる可能性を示している。したがって本研究の結果は、摂食する時間帯を制限することで肥満を緩和する方法を、現実的に応用するための有益な知識を提供していると考えられる。
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