研究課題/領域番号 |
19K03377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
中山 義久 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (30585906)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 運動前野 / 動作アイディア / 行動目的 / アクション / 動作 / 目的志向的行動 / 機能的MRI / ゴール / 前頭前野 / 頭頂連合野 / 大脳基底核 / 経頭蓋磁気刺激法 / 高次運動野 |
研究開始時の研究の概要 |
前頭葉の高次運動野や頭頂連合野の傷害によって引き起こされる典型的な臨床症例の一つに、麻痺症状はないにも関わらず、外部から動作を指示された場合に指示された内容は理解していても動作として表現できないという症状がある。すなわち動作には高次な表現(動作アイディア)と実際の運動(アクション)の表現があると考えられるが、その神経基盤は依然としてわかっていない。本研究では、機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) による脳活動の測定と、経頭蓋磁気刺激法 (TMS) を用いた一過性の機能脱落を組み合わせることで、動作アイディアの形成に関わる神経基盤の解明に迫る。
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研究成果の概要 |
前頭葉の運動前野背側部は視覚情報に基づく目的志向的行動に重要な役割を示す。目的志向的行動には複数の計画プロセスがあるが、その神経表現については未知の点が多い。そのため、行動の目的(動作アイディア)と具体的な動作(アクション)に関わる要素を時間的に分離可能な行動課題を作成し、この課題を遂行中の被験者の神経活動を7テスラMRI装置を用いた機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) で測定する実験を実施した。解析の結果、運動前野背側部が、視覚情報と動作アイディアやアクションとを結びつけること、動作アイディアからアクションへの変換、アクションの準備の各過程に関与することを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は、ヒトの運動前野背側部が動作アイディアの形成や、動作アイディアから具体的なアクションへ変換する役割を担うことを示唆するものである。この成果は、近年問題となっている高齢ドライバーが車のアクセルとブレーキを踏み間違えてしまう事故に象徴されるような、「わかっているのにできない」現象がなぜ起こるのかを理解するための重要な手がかりになると考えられる。
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