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その比較は論理的ですか?排他的比較傾向についての実験的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K03382
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10040:実験心理学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

漆原 宏次  近畿大学, 総合社会学部, 教授 (00342197)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードブロッキング / 連合学習 / 刺激競合 / 比較傾向 / 排他的比較傾向 / 思考のバイアス
研究開始時の研究の概要

本研究計画は、我々の認知に影響を与えていると考えられる、たとえ非論理的であっても二つの物事を単純に比較し相対化しようとする傾向、排他的比較傾向について、実験的研究と調査研究を通じ、その性質とメカニズム、それが影響を及ぼす範囲について広く検討するものである。この研究を通じ、我々の認知や行動の問題の原因の一つについての理解が深まり、これらの問題への対処や解決が促進されると期待される。

研究実績の概要

私たちヒトを含む動物は、様々な形で行動の選択を繰り返している。これら選択の基礎となるのが、様々な形で行われる推論である。しかし、これらの推論は常に論理的かつ妥当であるわけではなく、むしろ我々は、特定の条件下で一定の非論理的推論を行う傾向があることが様々な形で明らかにされている。本研究では、このような非論理的な推論を行う傾向を生み出す要因の一つと考えられる「排他的比較傾向」について、伝統的な連合学習の枠組みから、その存在及び背後にあるメカニズムを実験的に検証し、それが持つ性質・影響について明らかにすることを目指すものである。
排他的比較傾向とは、「AはBである」という関係性が与えられた際、この関係性が行動、判断、推論等に影響を及ぼすのと同時に、この関係性にとって「裏」にあたる、「AではないものはBではない」という関係性も、同様に行動・判断・推論に影響をもたらすことを指す。「AはBである」という命題が真であっても、「AではないものはBではない」という命題は必ずしも真であるとは限らないため、この「排他的比較傾向」は、様々な誤った推論および、それに基づく不適切な判断・行動の原因となると考えられる。
研究代表者はこれまでに、「非論理的ブロッキング」という現象を発見しており、この現象の背後に、上述した排他的比較傾向がメカニズムとして介在していると考えてきた。本研究計画は、排他的比較傾向を測定する心理尺度を考案し、そのうえで、この「非論理的ブロッキング」を生じさせる個人の傾向と、「排他的比較傾向」の関係を検証することを目的とするものであった。
当該年度においては、排他的比較傾向を測定する尺度を試作し、予備調査などにより吟味を行ったが、「非論理的ブロッキング」との関連が見られず、また尺度の信頼性および妥当性にも問題が見られ、尺度作成可能性と、前提となる仮説の妥当性について疑問が残る結果となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2023年度は、昨年度同様、心理尺度作成という前提段階で困難に直面し、進捗が限られることとなった。また、本研究の仮説である、非論理的ブロッキングが排他的比較傾向と果たして実際に関連しているかについても再検討する必要が示唆された。非論理的ブロッキングはPC画面上で行われる実験事態で発見されたものであるが、Web調査などの質問紙形式で同様の現象を安定して確認できるか、排他的傾向を測定できる質問紙を再度検討したうえで、それとの関連を明らかにできるかについて、基本に立ち返って再度検証する必要性に直面したといえる。また、2023年度において、2024年1月初頭より研究責任者は心身の調子を崩したことがあり、予定していた調査・実験が十分に実施できなかったことも、当該年度の研究の進捗が通常より滞った一因として挙げられる。
これらの事情より、研究実施年度を2024年度まで延長した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、非論理的ブロッキングについて、先行研究とは異なる、Web調査などの、質問紙スタイルの場面において追試を行い、その一般性を検討する。また、排他的比較傾向を測定するための質問紙として、心理尺度スタイルだけではなく、短文記憶課題における正ご判断課題などを援用する可能性も含めて検討する。さらに、自前の尺度だけではなく、非論理的ブロッキングと、妬み、弁証法的思考傾向など、排他的比較傾向により生じる可能性のあるいくつかの心的概念を測定する尺度の結果と非論理的ブロッキングを示す傾向の関連を直接検討することも視野に入れる。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 原因事象の総数に関する情報がヒトの因果推論における刺激競合に及ぼす影響:我々が示す『不合理な』ブロッキング現象2019

    • 著者名/発表者名
      漆原宏次
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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