研究課題/領域番号 |
19K03383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岡田 隆 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00242082)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ラット / 鬱 / ニコチン / 心的外傷後ストレス障害 / スクロース / 3種混合麻酔 / ストレス / 偽薬効果 / トラマドール / スクロース選好試験 / 強制水泳試験 / 3種混合麻酔 / オープンフィールド試験 / 高架式十字迷路試験 / 明暗探索試験 |
研究開始時の研究の概要 |
精神疾患症状をより有効に緩和するための方法を動物モデルによって探索するための生理心理学的研究を行う。ラットに心的外傷後ストレス障害様症状を惹起させる標準的手続きを確立し、その症状の様相に関する年齢差を検討する。また、本研究ではニコチンに代表されるタバコ成分に着目し、精神症状の緩和可能性の検討および海馬シナプス伝達および可塑性に及ぼす効果についての検討を行う。年齢による精神症状の違いやその緩和メカニズムが動物モデルにおいて解明されることにより、患者の年齢に応じたきめ細やかな対応への方法の選択肢を増やす第一歩になると考える。
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研究成果の概要 |
(1)心的外傷後ストレス障害様症状をラットに惹起するための、拘束・強制水泳・麻酔を連続して与える手続きにおいて、3種混合麻酔にはエーテルの代替としての効果は見られなかった。 (2)ラットの鬱様行動に対するニコチンの慢性経口自由摂取は、学習性無力感の側面には影響しなかったが、アンヘドニアを減少させる効果があった。(3)オペラント行動を用いたラットの偽薬効果検出について探索的に検討し、鎮痛剤トラマドールを用いての偽薬効果は検出されなかった。(4)慢性予期不能弱ストレス手続き後のラットの鬱様行動に及ぼす環境の影響を検討したところ、若齢期のエンリッチメント環境飼育がレジリエンス個体出現率を増加させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題においては心的外傷後ストレス障害および鬱に着目し、複数の観点から動物実験を行った結果、鬱におけるアンヘドニア(快感消失の状態)の側面にニコチンによる治療効果が示唆されること、エンリッチメント環境における生育がストレス刺激へのレジリエンスを高める可能性があることなどを明らかにした。精神疾患モデル動物の症状緩和につながる手法を探索することは、ヒトにおける新たな治療法の発見への手がかりとなり得る点で意義がある。
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