研究課題/領域番号 |
19K03384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
大久保 街亜 専修大学, 人間科学部, 教授 (40433859)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 裏切り / 意識と無意識 / 表情 / 笑顔 / 信頼感 / 意識 / 無意識 / 笑い / 社会的認知 / 瞳孔反応 / 無意識的処理 / 顔認知 / 動作 / 裏切り行為 / 非言語コミュニケーション / 眼球運動 / 裏切り検出 / 無意識的過程 / 顔の認知 |
研究開始時の研究の概要 |
協調行動は裏切りがあると成り立たない。だからこそ我々は裏切りに厳しい。だが、邪な意図を巧みに隠蔽するものがおり、裏切り行為は無くならない。本研究では裏切りの隠蔽と検出に関する申請者の研究から生じた「裏切りシグナルの隠蔽やその検出は無意識的な過程か、それとも意識的か?」という疑問を検討する。コミュニケーションにおける時間的制約と人間の処理容量の限界から、裏切りの隠蔽と検出は無意識的な過程を反映するという仮説の立て、行動実験、眼球運動・瞳孔径測定などを駆使し、この仮説を実証的に検討する。
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研究成果の概要 |
協調行動は、ヒトの社会に見られる普遍的な特徴である。ただし、裏切りがあると協調関係は成立しない。本研究では、協調行動を成立させる鍵となる裏切りの検出と隠蔽におけるダイナミクスを検討した。それにあたり、「裏切りシグナルの隠蔽やその検出は無意識的な過程か、それとも意識的か?」という疑問を設定した。刻一刻と変化するコニュニケーションにおいて、裏切のシグナルを隠蔽し、それを掻い潜り検出することは、時間的にも資源的にも負担が掛かる。その負担を考慮すると、これらの処理は無意識的・自動的に行われると考えられる。行動実験、瞳孔径計測の結果から、裏切りのシグナルの隠蔽は無意識的に行われるということを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
協調行動の継続のためには裏切りを防止しなくてはならない。しかし、事前の防止は難しい。今回の結果でその理由の一端が明らかになった。裏切り者は信頼できるように見えるよう表情やポーズを無意識的にとっていた。果てには、意識的にコントロールできない瞳孔の散大まで行なっていることがわかった。これらが裏切りの検出を困難にしていると考えられる。裏切り意図の隠蔽に、裏切り者の無意識的な行動が寄与しているなら、本人の意図にかかわらずそのような行動をしていることになる。したがって、ルール等による規制では防止が困難である。今回、確認された行動特徴などを利用した裏切り防止のための方策を将来的に検討すべきであろう。
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