研究課題/領域番号 |
19K03388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
倉岡 康治 関西医科大学, 医学部, 助教 (10581647)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 扁桃体 / ニューロン / 社会的情報 / 報酬 / サル / ニューロン活動 / 社会性 / 情動 |
研究開始時の研究の概要 |
怒り顔は、憤りを表現するとともに、見た者に恐怖を感じさせるように、社会的情報には、情動情報を伴うことがある。本研究課題では、情動情報と社会的情報が霊長類扁桃体で統合されていく過程を、行動学的・生理学的・薬理学的手法を用いて解明することを目指す。 まず、サルを対象に、情動情報や社会的情報に応じて行動を適応させる動物モデルを開発する。その上で、扁桃体内の複数の神経核において、ニューロン応答が各情報より受ける影響や、各情報に対するペプチドホルモン・オキシトシンの作用を検証することから、扁桃体内での社会的情動情報の統合と制御の機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
霊長類扁桃体内で報酬情報と社会的情報が処理される過程を解明することを目的とし、報酬情報および社会的情報に差を付けた顔刺激に対するニューロン活動を解析した。 扁桃体の外側核・基底核・中心核のニューロン活動を解析したところ、全ての亜核において、報酬・社会的情報の両要因よりも、どちらか一方の要因のみの影響を受けるニューロンが多かった。さらに、外側核では、社会的情報要因の影響を受けるニューロンが多い一方、基底核・中心核では報酬情報要因のみの影響を受けるニューロンが多かった。 以上のことから、扁桃体では、報酬情報と社会的情報が異なる亜核の異なるニューロンで処理されていることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
扁桃体が報酬など情動情報や社会的情報の処理に関わることは知られており、これらの情報は本来独立しているものの互いに関連が深い。例えば表情のように、顔という社会的情報に情動情報が含まれることもあるが、2つの情報が扁桃体において別々に処理されているのか、あるいは統合されているのか明らかにされないままであった。本研究はまさにその未解決な議論を検討したもので、多くのニューロンがどちらか一方の情報を処理しているという結論を得たことは意義深い。 扁桃体における社会的・情動情報処理機序の詳細な解明は、社会生活を送ることに困難を感じる人たちの脳内における問題の理解への一助を担うと考えられる。
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