研究課題/領域番号 |
19K03392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
赤塚 広隆 小樽商科大学, 商学部, 教授 (30535860)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 乗法的関数 / ゼータ関数 / 零点 / 約数和 |
研究開始時の研究の概要 |
「リーマン予想は, 約数和に関するある不等式の成立と同値である」というRobinの結果に代表されるように,乗法的関数の性質とゼータ関数の零点分布の性質が密接に結びついている例がいくつか観察されている.本研究が目指すところは,乗法的関数の上極限や下極限,不等式に関する性質と,ゼータ関数の零点分布の性質が関連するような例を増やすことである.本研究課題では,約数を走る和で定義される乗法的関数および代数体(特に二次体)と関連するような乗法的関数を中心に考察を進める.
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研究実績の概要 |
リーマンゼータ関数の零点分布との関連を期待し、昨年度よりBettinとConreyによる三角関数の有限和に対する相互法則について研究を行っている。今年度、この方面で更なる進展があった。 古典的な意味での相互法則はDedekind和に見られるように、xと1/xの間に簡明な関係式があるというものである。Bettin-Conreyの有限和は古典的な相互法則を満たさない。しかし、この有限和のxと1/xでの値を適当に組み合わせることで、xの関数として有限和単体よりも良い性質を持つ(xの正則関数として拡張できる)ことが知られている。この現象を相互法則とみなし、この正則関数のx=1におけるテイラー係数の漸近挙動を昨年度から調べていた。東北大学(現九州大学)研究員の村上友哉氏より、考察している積分そのものがある合流超幾何関数で記述できるとの指摘があった。考えている相互法則の問題が、合流超幾何関数のパラメータの一つを大きくしたときの漸近挙動を調べる古典的な問題に帰着されることの見通しがより明確となった。さらに、昨年度の研究では漸近級数の係数は、いくつかの母関数で定まる定数たちを複雑に組み合わせることで記述されていたが、村上氏の指摘により、漸近級数の係数を一つの母関数でより簡明な形で記述することができた。その副産物として、昨年度に数値計算を行った際に予想した漸近係数に関する性質を証明することができた。 得られた結果を村上氏との共著で論文にまとめた。細部の再点検を行い、近いうちに投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究そのものは進展しているが、論文の取りまとめや講演発表などの公表作業が遅れている。特に、約数関数の研究について早急に論文にまとめる必要があるが、執筆が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
相互法則の論文は細部の再点検を行い、雑誌に投稿する。その後、約数関数の研究の取りまとめにかかりたい。
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