配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究実績の概要 |
2022年度には査読付き論文が1編, 国際学術雑誌(ドイツ)に掲載され, また国際学会(セミナー)に公演 (web)を招待された。 ここ10年くらい共同研究をしている C.Lassueur(ドイツ・ランダウ--カイザースラオターン大学准教授)との共著論文9編である。内容は、課題「有限群の表現論」において殆どすべてを支配, コントロールしている「シローp部分群(p は素数)」が準2面体群の場合に, 有限群の表現論において非常に重要な役割を演ずる「自明準同型加群」の分類についてである。より詳しく言うと, この場合に, すべての分類を完全に完成させた。 実は,これの先行結果として J.F.Carlson, N.Mazza, J.Thevenaz 3人が書いた論文 (Journal of the European Mathematical Society, 2013)があるが, この論文では, 一部, 分類が未完成であった。その上, 結果自体は正しいが議論が不十分の箇所があったのであるが, 我々の上記論文[Koshitani-Lassueur 2022]では, これらをすべて解決した。今回の研究課題は正確には「有限群の表現論における局所大域予想」であるが, これの後半部分「局所大域」とは考えている(対象となっている)有限群と, それより小さい(位数が小さい)有限群の表現論を比べる, という意味である。今回の例で言うと, 「シローp部分群」は元々の群の部分群であるから, 正しくこの「局所大域」に適合している。 次に招待講演について述べる。これの主催は, トルコ・Bilkent大学の大御所 L. Barker教授である。今年度このセミナーでの講演(一時間)を招待され,対称多元環上の既約加群の個数についての研究成果について発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由: 有限群の表現論, より詳しく言えば有限群のモジュラー表現論が我々の課題であるが, ここにおける局所(より小さい有限群での表現論)と大域(大きい全体の有限群の表現論)を比べ, 可能であれば, 後者を前者に帰着させたい, が理想な求めたい究極の結果である。今まで4年間の研究では, これらに関するいくつかの重要な部分的結果が得られている。その意味で「おおむね順調に進展している」と自信をもって述べることができる。
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今後の研究の推進方策 |
今回の課題の中でも重要な位置を占める「有限群の主ブロック」を, 与えられたある不足群(シローp部分群 P , ただし p は素数)を持つ場合に完全に分類したい。前年度に書いたことと少し重複するが, 具体的には P が輪積2群である場合を考えたい。これは, 表現型が有限型, tame(飼い慣らされた, つまり扱いやすい)型に非常に近いのであるが, この表現型が wild (制御不可能)の場合に属しているため一般には研究が困難である。ただその形(群としての構造)は, tame型に似ているので, 十分攻撃可能のように思われるからである。
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