研究課題/領域番号 |
19K03427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鍬田 政人 中央大学, 経済学部, 教授 (00343640)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 楕円ファイブレーション / Mordell-Weil群 / 楕円曲面 / K3曲面 / Calabi-Yau多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
楕円曲面の切断のなす群,Mordell-Weil群は「高さ」による内積によって格子の構造を持ち,楕円曲面の幾何学的性質を解き明かす上で大きな役割を担う.近年,超弦理論において楕円ファイブレーションをもつ3次元以上のCalabi-Yau多様体が注目を集めており,とくにF-理論ではMordell-Weil群に物理的な意義が見出されている.本研究では,楕円ファイブレーションをもつ3次元以上のCalabi-Yau多様体上のMordell-Weil群について,楕円曲面での理論を拡張してMordell-Weil格子の理論に類似する理論を構築し,超弦理論などへの応用を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目標の1つは,楕円曲面のMordell-Weil格子の理論を高次元楕円多様体,すなわち一般ファイバーが楕円曲線であるファイバー空間の構造をもつ高次元多様体に拡張することである.令和4年度は前年度に引き続き,その試金石となる,有理多様体である3次元楕円多様体について,そのModell-Weil群に格子の構造を定義し,それを決定する問題に取り組んだ.3次元以上の楕円ファイバー空間では,射影空間P^n上のWeierstrass方程式で定義された場合でも,その相対極小モデルを得る際に底空間もブローアップする必要があり,まず底空間のPicard群の理解が必要である.従来研究していた,レベル3構造を持つアーベル多様体のモジュライ空間である3次元楕円多様体では,その相対極小モデルの底空間は射影平面を一般の位置にある9点でブローアップして得られるHalphen曲面であり,階数6のMordell-Weil群を持つ.その群にE6型のルート格子と同型な格子の構造を付与できることは前年度すでに示したが,この楕円ファイバー空間の底空間を直線に制限して得られる有理楕円曲面のMordell-Weil格子はE8型のルート格子と同型であり,もとのE6型の格子をその部分格子として含む.これら2つの格子の間には位数3の巡回群が作用しており、その関係は群論的にも数論的にも興味あるものだが,本年度はこの関係を詳細に明らかにし,シンプレクティック群Sp(4,3)との関係も詳しく調べた. 本研究では理論物理学との関連から3次元以上の多様体を主な対象としたが,2次元のCalabi-Yau多様体であるK3曲面の研究は近年発達が著しく,その研究成果は理論物理にとっても重要な意味を持つ.そこで,本年度は従来行ってきた楕円K3曲面のMordell-Weil群の応用にも力を入れ,楕円曲線の数論への応用を持つ結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度もまだ新型コロナウイルス感染症の影響で移動が制限され,研究集会なども予定通り開催されず,研究遂行の方針の変更を余儀なくされた.楕円曲線を一般ファイバーとする3次元ファイバー空間のModell-Weil群に格子の構造を与えることが出来るかという問題については,底空間が射影平面と双有理同値の場合には意義ある一般的な結果が得られる目途が立ちつつあるが,本研究のもう一つの柱であるWeil-Chatelet群の研究についての進捗状況はやや遅れていると言わざるを得ない.ただ,これについてもHalphen曲面上の大域切断をもたない楕円曲面の構造の研究により,次年度以降さらに進んだ研究を行う端緒をつかんでいる.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,新型コロナウイルス感染症の影響による移動制限がほぼなくなり,国際研究集会などは従来通りに近く開催される予定になっている.そこで,今年度はこのような国際研究集会にもできる限り参加し,これまで4年間に得られた結果を積極的に発表し,他の研究者との討論を通じて本研究をさらに深めていきたい.また,これまで直接話を聞くことが難しかった研究者の発表を聞いたりして本研究にかかわる多くの知見を得たいとも考えている. 本研究では理論物理学との関連を視野に入れて,扱う主な対象を3次元以上としたが,2次元のCalabi-Yau多様体であるK3曲面の研究は近年発達が著しく,その研究成果は理論物理にとっても重要な意味を持つという.そこで,本研究と関わりの深いK3楕円曲面のMordell-Weil格子の理論とその応用にも視野を広げて研究を進めたい.
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