研究課題/領域番号 |
19K03433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
小関 祥康 神奈川大学, 理学部, 准教授 (00614041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アーベル多様体 / Lubin-Tate 拡大 / ガロア表現 |
研究開始時の研究の概要 |
アーベル多様体に対してその定義体の無限次拡大体に値をとるねじれ部分群の理解を目的とする。まずは p 進局所体の Lubin-Tate 拡大体に値をとるアーベル多様体のねじれ部分群の有限性が、どのような Lubin-Tate 拡大に対して保証されるかということの判定条件を与える。次にクンマー忠実体と呼ばれる半アーベル多様体の可除部分の消滅を保証する体の、ガロア表現の言葉による特徴づけと例を与える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、p進局所体上定義されたアーベル多様体の、「適当な十分大きい無限次拡大体」に値を取るMordell-Weil群を考えたときにそのねじれ部分群の有限性や可除部分群の消滅性について考察をすることである。本年度の主要な結果を以下に述べる。 (1)久保・田口により考察されたp進局所体上の非常に大きな体におけるアーベル多様体のねじれ点の位数に関して、CMアーベル多様体に限れば、ある種uniformな位数の上限が存在するという結果がNew York J. Math.に受理された。類似した研究で位数の上限を与える具体的な公式についても前年度ある程度考察していたが、それをさらに改良した論文も書き、現在投稿中である。 (2)近年、遠アーベル幾何学の「適切な基礎体」として注目されているクンマー忠実体がさらに一般化され、TKND-AVKF体というものが新たな「適切な基礎体」として、京大数理研の望月・星・辻村の3氏により導入された。しかしTKND-AVKF体は定義が抽象的であり、現時点ではそこまで理解が進んでいるといえるものではない。このTKND-AVKF体をより深く理解するべく、京都工繊大の室谷氏と共同で研究をはじめた。そこでは数体の全円分拡大体よりもはるかに大きな拡大体についてのTKND-AVKF性について調べており、3月に東工大で行われた研究集会「Anabelian Geometry in Tokyo」において発表可能になる程度には研究が進展した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
CMアーベル多様体のねじれ部分群の位数の上限を与える具体的な公式については、公式の精密化だけでなく計算機なども用いることでより理解が進んだこと、その前段階の研究も問題なく学術雑誌に受理された事、および本研究課題における鍵であったクンマー忠実体をより一般化したTKND-AVKF体についても順調に考察が進んでいることなどが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
TKND-AVKF体に関する考察を継続していきたい。TKND-AVKF体は定義が抽象的であり、具体的にどのようなものがそれに該当するのかということがあまり知られていない。したがって、本研究でTKND-AVKF体の特徴づけやその具体例を挙げることには意義がある。また現状ではこの研究においては数体上の話がメインとなっているが、局所体や関数体といった方面へと話を広げていければと考えている。
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