研究課題/領域番号 |
19K03435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 大阪電気通信大学 (2021-2023) 奈良工業高等専門学校 (2019-2020) |
研究代表者 |
名倉 誠 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (30375399)
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研究分担者 |
神吉 知博 松江工業高等専門学校, 数理科学科, 准教授 (80610782)
黒澤 恵光 沼津工業高等専門学校, 教養科, 准教授 (10734783)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クイバーに付随する表現 / 概均質ベクトル空間 / スターリング数 / 正則概均質ベクトル空間 / 傾変異 |
研究開始時の研究の概要 |
クイバーQに付随する概均質ベクトル空間(Prehomogeneous Vector space, PV)の生成点は,Qの道代数Λ上の傾加群に対応する.本研究では,PVの生成点をQの部分ルート系が張る格子の点とみなすことで,傾加群のHasse図(tilting quiver)の変異の理論を展開する.
このHasse図の「矢」(繋がりそのもの)は,相対不変式を1個のみ持つ「basic PV」に対応するため重大な意味を持つ.この発想のもとに,trivial PVたちを系統的に捉える新しい分類理論を構築し,「基本的な概均質ベクトル空間」の分類の完成を目指す.
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研究実績の概要 |
概均質ベクトル空間を特徴づける格子の数え上げに関連した統一スターリングの計算を,研究分担者の神吉氏を中心に2020年度より進めていた.その過程で,統一スターリングを負の引数を持つように拡張する必要に迫られたが,既知のrecursive matrices(extended Riordan arrays)のcomplementary arrayの理論を,Roman階乗(通常の階乗の一般化)を用いて負の引数を持つ指数型Riordan arraysへ拡張することによって解決した.この結果はLinear Algebra and its Applications誌に発表した.現在,Riordan arrayのproduction matricesの観点からこの結果の考察をさらに進めている. 一方,2022年度に得られた結果に続いて,さらに多くの双曲型のクイバーに付随する表現に対して,正則な概均質ベクトル空間を与えるための次元ベクトルの条件を具体的に決定した.また,グラフに付随する2次形式の考察によって,標準分解に現れる次元ベクトルの条件を絞り込んでいる.しかしながら,これらは依然として散発的な結果である.2022年度以降,とくに星形クイバーに付随する表現を精密に分析し,基本相対不変式をただ1つ持つ典型的な(typicalな)概均質ベクトル空間を特徴づけようとしている.星形クイバーについても散発的な結果が出ているものの,証明に必要は場合分けが複雑なため,まだ完成に至っていない.今後も引き続き傾加群やCoxeter群の観点から検討を続けていく必要がある. なお,これまで得られた部分的な結果を,2024年3月に城西大学で開催された研究集会で報告している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
双曲型のクイバーに付随する正則概均質ベクトル空間についての結果が散発的であり,証明の完成に至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
双曲型のグラフに付随する正則概均質ベクトル空間の分類の現状を整理し,現在得られている散発的な結果をできる限りまとめていく.また,クイバーの表現を与える次元ベクトルの標準分解(canonical decomposition)について,概均質ベクトル空間の視点から考察を進めていく.
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