研究課題/領域番号 |
19K03442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) 信州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
佐々木 洋城 北海道大学, 理学研究院, 研究院研究員 (60142684)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 有限群 / ブロック・イデアル / デフェクト群 / ソース多元環 / コホモロジー環 / 移送写像 / エクストラ・スペシャル群 / ICC条件 / ベキ零ブロック / extraspecial p-群 / 部分対 / ソース多元館 |
研究開始時の研究の概要 |
有限群の表現論においてブロック・イデアルの理論は最も基本的で主要な研究対象である。本研究はコホモロジー理論を用いてブロック・イデアルを考察しようとするものである。しかし、ホモロジー代数の手法が通用せず、目下のところはブロック・イデアルのソース多元環を詳細に調べる必要がある。本研究ではデフェクト群のコホモロジー環からの写像によってブロック・イデアルのコホモロジー環を記述しようとする。また、特性両側群集合も密接に関連する対象であり、これらの理論は、ブロック・イデアルのコホモロジー環の理論の土台部分を構成するものとなる。
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研究実績の概要 |
有限群のブロック・イデアルBのコホモロジー環はBのデフェクト群Pのコホモロジー環のBのBrauer pair のフュージョン・システムに関する安定部分環として定義される。ブロック・イデアルBのコホモロジー環はBのデフェクト群PのHochschildコホモロジー環のブロック・イデアルBのソース多元環Aに関する安定部分環から決定されることから、ソース多元環が定める移送写像の像として得られると予想している。 その研究のため、目下のところ事例研究を行っているが、デフェクト群Pの構造を指定して、ブロック・イデアルのソース多元環のP上の両側加群としての構造の解析と移送写像の決定が必要である。2022年度に、Pがエクストラ・スペシャル群である場合にこの課題を解決した論文を投稿したが、掲載されることが2023年度に決定された。 ブロック・イデアルのソース多元環Aの両側加群としての構造について、科学研究費補助金課題15K04777で得られたAの直和因子を解析する方法をさらに精密化し、デフェクト群P上の直既約両側加群がAの直和因子に同型になるためのひとつの判定条件とその重複度に関する公式が得られた。その議論は複雑で難解であったが、置換加群の理論を援用することにより、より一般に、P上の両側置換加群の直既約直和因子の重複度を与える公式を得た。この公式をソース多元環に適用することにより、P上の直既約両側加群Xが定めるある部分群が本研究で導入したICC条件という条件をみたし、さらに、例えばfully centralizedならばXのソース多元環Aの直和因子としての重複度が得られることがわかる。ICC条件はXが定める移送写像が0写像でなければ満たされるから、コホモロジー論上は自然かつ重要な条件である。この結果は科学研究費補助金課題15K04777で得られた定理を拡張するものである。論文は投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究で得られた知見をさらに整理し、ソース多元環の両側加群としての直和因子を調べる新たな方法や、重複度についての定理を得ることはできたが、一般的な考察にはまだ遠い。
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今後の研究の推進方策 |
得られた、ソース多元環の直和因子を解析する方法や定理の適用例を増やし、予想の確からしさを強める。続いて、デフェクト群を指定するのではなく、p可解群とよばれる有限群のブロック・イデアルについても研究を進める。また、ブロック・イデアルの定義が実はやや複雑であるので、いままでの研究で得られた知見に基づいて、定義を再構築を図る。対称多元環のHochschildコホモロジー環における安定元の理論を深める必要がある。
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