研究課題/領域番号 |
19K03455
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
見正 秀彦 東京電機大学, システムデザイン工学部, 教授 (10435456)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 値分布 / Selberg zeta 関数 / 普遍性 / 数論的ゼータ関数 / 密度関数 / 解析的整数論 / Riemann zeta 関数 / ゼータ関数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はゼータ関数の挙動を多角的に調査し、ゼータ関数の未知の性質や一見無関係な複数の挙動の関係を発見することを目的としている。具体的には4つのテーマ① Hurwitz zeta関数の値分布の調査、② 対角線上におけるEuler-Zagier型多重ゼータ関数Z(s)の挙動の調査、③ 複数のゼータ関数に対する値分布の独立性、④ 2次元空間上でのEuler-Zagier 2重ゼータ関数の値分布の調査、に取り組む所存である。
|
研究実績の概要 |
2023年度は研究実施計画に掲げた3つの目標のうち、目標③“複数のゼータ関数に対する値分布”についての2つの研究に取り組んだ。個々の取り組みの状況について説明する。 1. 昨年得たSL_2(Z)の異なる指標に付随するSelbergゼータ関数間に同時普遍性定理の証明についてプレプリントを完成したが、指標の直行性について見落としがあることが指摘された。改良に取り組んでいるが、有効な打開策を未だ模索中である。 2. 松本耕二氏、伊原康隆氏らにより、リーマンゼータ関数の値分布を記述する密度関数(M関数)が発見された。その後、多くの数論的ゼータ関数についてM関数が発見されている。申請者はSL_2(Z)のSelbergゼータ関数についてM関数の計算に取り組んでいる。絶対収束域Re(s)>1におけるM関数は容易に構成できたが、関数の本質的な性質の現れる帯領域1/2<Re(s)<1においては収束性の問題を解決するための模索が続いている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022,2023年度の2年間にわたり、申請者は所属する大学内組織(数学系列)の主任を務めていた。これが研究の進捗が遅れていた最大の要因である。 精神的な焦りもあってか、研究実績でも述べた証明の見落としをしてしまったが、そのことも精神的なストレスになっていたように思う。
|
今後の研究の推進方策 |
橋本康史氏は最近、2020年に申請者が証明した異なる主合同部分群に付随するSelberg zeta関数間の同次普遍性定理がより広い帯領域内で成立することを証明した。その中で橋本氏は多くの解析的な評価式、手法をを導入している。橋本氏の手法を活用すれば、研究実績概要で挙げた、停滞中の2つの研究課題について進展が得られるのではないかと考えている。 この2つの課題と並行し、2022年度も課題として挙げた、指標をパラメーターとして変動した場合のSelberg ゼータ関数の普遍性の研究に取り組む所存である。
|