研究課題/領域番号 |
19K03497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
秋吉 宏尚 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80397611)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 双曲幾何 / 錐多様体 / 基本多面体 / 実射影構造 / 軌道体 / 基本領域 / 凸集合 / 曲面束 / クライン群 / 負曲率幾何 / 離散群 |
研究開始時の研究の概要 |
3次元多様体が許容するThurstonの意味での幾何構造相互の関係を調べるには,構造の滑らかさを一部で崩すことにより実現される錐特異点付きの構造を用いることが有効である.本研究では,もっとも重要と思われる錐双曲構造の変形と他の幾何構造への退化を,標準的な基本領域を用いることで詳細に理解することを目指すものである.その基礎をなす理論の構築のため,2橋結び目錐多様体からなる無限族を中心的に研究する.直接的な応用として,体積の小さな数論的クライン群の決定への寄与なども期待される.
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研究成果の概要 |
本研究課題で得られた成果を大別すると,Riley sliceを含む2つの放物的元が生成する自由でないクライン群に関する決定的性質に対する詳細な証明,具体例に対して得られた標準的基本多面体族の組み合わせ構造に関する安定性の存在に関する観察と関連する数値実験,そして,コンパクトでない双曲錐多様体を基本多面体の立場から研究する際にネックとなるエンドの組合わせ的構造の解析に関する新たな視点の導入とその基礎理論の整備となる.新たな視点は実射影構造を持つ多様体の研究とも密接に関わるもので,将来的には無限体積双曲構造の実射影幾何構造の観点からの退化や遷移に関する重要な基礎をなすものと期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では3次元双曲幾何を中心的な研究対象とする.3次元空間内の結び目はDNAや高分子などの数学モデルのうち最も基本的なものと考えられるが,その位相的構造の解明はそれら具体的な実在を対象とする自然科学分野においても重要な役割を担っている.非常に多くの結び目が双曲幾何により支配され,その幾何構造は標準的な基本多面体により組合せ的に理解可能であることが知られており,本研究はその理解をさらに進めるための一ステップである.本研究で発見された新たな視点は,そうした組合わせ構造がより広い数学的対象に対しても有効な手掛かりとなることを示唆するという意味で大変興味深いものである.
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