研究実績の概要 |
昨年度までに引き続き, 3次元多様体の基本群, 特に結び目群からSL(2;C)への表現全体の空間である指標多様体と幾何学的な構造との関連について研究を行なった。 本年度についてはこれまでのAix-Marseille大学のMichel Boileau氏との共同研究に加えて, 同大学のLuisa Paoluzzi氏, Montpellier大学のStephane Baseillac氏, Pau et des pays de l'Adour大学のVincent Florence氏と共同研究を行なった。 特にMichel Boileau氏との共同研究を発展させる形で, Luisa Paoluzzi氏とも加えて, 一般の3次元多様体の場合に関して, 双曲的結び目の双曲的Dehn手術理論と写像度1の理論を組み合わせて得られる3次元多様体の間の写像度1の写像を考えて, それが誘導する指標多様体の間の写像について, 準備的な研究を行なった。これらに関しては,現在も進行中であるが, これまでには未知であった実例を発見した可能性が示唆されている。 また昨年までに引き続き, Michel Boileau氏, および野崎雄太氏(横浜国立大学)と結び目の対称和とその部分結び目の間に誘導される全射に関して, ねじれAlexander多項式の関係式, また結び目の種数に関する不等式, 結び目群の商群として得られるpi-orbifold群の間の全射について研究を行なった。これらについては詳細は論文を準備中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
原因は, コロナ禍での研究の中断からさまざま再開をし本研究課題に取り組んでいく中で、処理するべき事柄が思った以上に多く, 追いついていないことと考えている。具体的には対面での研究打ち合わせを増やしていく中で一段細かい議論ができるようになり, それらの取りまとめに時間を要している。 特に現在本研究課題に関しては成果を取りまとめる最終段階にしているが, 発表のために内容の細かい部分の整理に関して想定以上に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究に関してはオンラインでの打ち合わせを中心にしっかりと行うが, スケジュール管理をしっかりと行い, 途中の期間での作業を各段階で明確にし, 細かい作業を行う。 また研究全体に関しては最終的にどこまで取りまとめるかを再度整理をして, 研究を完成させる予定である。
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