研究課題/領域番号 |
19K03506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 (2022) 大阪医科薬科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
中村 信裕 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10512171)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ゲージ理論 / 4次元トポロジー / 4次元トポロジー / 幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,Pin(2)モノポール方程式の理論的発展,および4次元多様体のトポロジーや幾何への応用の可能性を深く追求することを目的とする.ここで Pin(2)モノポール方程式とは,spin-c 構造の複素共役から得られるSeiberg-Witten 方程式の変種である.具体的には以下の項目の研究を行う. 1. 実構造をもつ複素曲面上のPin(2)モノポール方程式 2. 安定コホモトピー版のPin(2)モノポール不変量 3. Pin(2)モノポール Floer 理論
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研究実績の概要 |
当該年度はまず,加藤毅氏,岸本大佑氏,安井弘一氏との共著論文(math.arXiv:2111.15201)の大規模な改訂作業を行った.今回の改訂の過程で,主結果は精密化され,より深くより適用範囲の広いものに拡張された.この研究は Seiberg-Witten 理論における simple type 予想に関わるものである.simple type 予想はSeiberg-Witten不変量が0でなければモジュライ空間の仮想次元は0であるという予想である.この研究において,緩やかな位相的な条件の下で,Seiberg-Witten 不変量の divisibility からモジュライ空間の仮想次元の上限が得られるという結果が得られていたが,今回の改訂で次の拡張が得られた. Seiberg-Witten不変量が素数 p の r 乗で割り切れなければモジュライ空間の仮想次元は 2r(p-2)-2 以下である.証明はSeiberg-Witten不変量の安定コホモトピー群への持ち上げであるBauer-Furuta不変量を用い,ホモトピー論的考察によってなされるが,今回の改訂版では戸田ブラケットを用いた精緻なホモトピー群の計算を利用するなど,高度なホモトピー論をゲージ理論に応用できた点は意義深い.またこの研究結果に関する講演を,国際研究集会 Gauge Theory in Kyoto (京都大学, 3/22-24)にて行った. Seiberg-Witten不変量とDonaldson不変量が等価であるという Witten予想に関連して,Pin(2)モノポール不変量に対する Witten 予想は何か,特にPin(2)モノポールに対応するインスタントン理論は何かについての考察を行った. また今野北斗氏と行ったPin(2)モノポール方程式の4次元多様体の族のトポロジーへの応用の論文(math arXiv:2003.12517)Algebraic & Geometric Topology に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Bauer-Furuta理論へのホモトピー論の応用についての研究,族のゲージ理論とその応用に関する研究の進展状況が良好と言える一方Pin(2)モノポール方程式関連の研究がまだ基礎的なレベルにとどまり,目に見える結果がそれほど得られていないが,総じて順調な進展といえる.
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今後の研究の推進方策 |
Buaer-Furuta理論と族のゲージ理論についてはさらなる進展が見込めるのでこれらについてしっかり取り組んでいくと同時に,これらの領域で得られた成果をPin(2)モノポール理論へ還元していく取り組みを本格化させたい.
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