研究課題/領域番号 |
19K03509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小島 武夫 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (80307800)
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研究分担者 |
神保 道夫 立教大学, 理学部, 名誉教授 (80109082)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 可積分系 / 変形W代数 / 量子トロイダル代数 / スクリーニング作用素 / 2次関係式 / 運動の保存則 / 楕円関数 / W代数 / 自由場構成 / アフィン・リー環 / 保存則 / 可換性 / ディンキン図形 / 2次関係式 / Twisted algebra / 双対性 / 量子W代数 / Quadratic relation / 超代数 / アフィン・リー代数 / 量子Y代数 / D brane / 超代数 sl(M|N) / 自由場表示 / スクリー二ング・カレント / 超対称性 / 量子 W 代数 / 楕円量子群 / 可解模型 |
研究開始時の研究の概要 |
Lie 代数g に付随する量子W代数Wq,t(g)は,楕円可積分系の対称性で,古典W代数W(g)の楕円変形(2パラメタ変形)である。超代数g=gl(M|N)の場合は,物理的観点から大変重要である。本研究では,量子W超代数Wq,t(gl(M|N))の自由場表示を,楕円超代数Uq,p(gl(M|N)^) のスクリーニング・カレントから構成する。超対称ABF模型の頂点作用素を構成し,量子W超代数の再構成,楕円超代数のL作用素の構成,半無限転送行列の対角化を行う。量子トロイダル代数を活用して量子W超代数を構成し,超対称KdV理論の保存則の楕円変形を構成する。
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研究実績の概要 |
変形W代数はW代数のパラメータによる量子変形である。変形W代数の定義は、ハイゼンベルグ代数におけるスクリーニング作用素のコミュタントで定める方法が20世紀末より知られていた。量子トロイダル代数による構成法が近年になり神保らにより提唱された。この構成法にはメリットがある。例えば gl_1 型量子トロイダル代数を活用して構成されるA型の変形W代数 Y_{L,M,N}は、スクリーニング作用素から構成した変形W超代数 W_qt(A(M,N))のさらなる一般化を与えている。また、スクリーニング作用素のアフィン化S_0(z) が得られるので運動の保存則などの構成に活用できる。 小島は変形W代数 Y_{L,M,N}の閉じた2次関係式を導出した。この結果は Springer Proceedings of Mathematics and Statistics に掲載が決定した。量子トロイダル代数そのものが興味深い研究対象であり、運動の保存則と呼ばれる可換な部分代数が重要な主題の一つである。神保は Feigin, Mukhin と共同でgl(m|n)型量子トロイダル代数の場合に、シャッフル代数による実現を利用して対応する可換な部分代数を構成し、それがある多項式環と同型になることを示した。この結果は Journal of Pure and Applied Algebra に掲載が決定した。 神保と小島は共同で量子トロイダル代数から構成されるD型の変形W代数の運動の保存則 I_m, G_nを考察し、可換性 [I_m,G_n]=0の証明に取り組んでいる。積分が多い場合へと証明を拡張しつつあり、一定の結果が得られている。証明の過程で計算手法が磨かれており、例えば、図を描いて留数計算を進める手法は他のDynkin図形の場合にも活用できることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
量子トロイダル代数から構成されるD型の変形W代数の運動の保存則 I_m, G_nの可換性 [I_m,G_n]=0の証明の取り組みでは、積分が多い場合へと証明を拡張しつつあり、一定の結果が得られている。証明の過程で計算手法が磨かれており、例えば、図を描いて留数計算を進める手法は他のDynkin図形の場合にも活用できると期待される。今後の発展に資する結果が得られている。また、変形W代数 Y_{L,M,N}の閉じた2次関係式、gl(m|n)型量子トロイダル代数の可換な部分代数(運動の保存則)の構成なども得られており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
量子トロイダル代数から構成されるD型の変形W代数の運動の保存則 I_m, G_nの可換性 [I_m,G_n]=0の証明を神保と小島は2024年度も継続する。現在までの2年がかりの証明の過程で計算手法が磨かれており、問題はかなり明瞭になった。これらの知見を活用することで今後は一層のスピードアップが期待される。対面討論とZoom討論の両輪の密接なコミュニケーションにより、この問題の解決に向け加速すると同時に、発展的課題の方向に徐々に研究を発展・深化させていきたい。
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