研究課題/領域番号 |
19K03524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
松永 秀章 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40332960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 時間遅れ / 微分方程式 / 漸近安定性 / 特性方程式 / 安定領域 / stability switches / discrete delays / distributed delays / 積分方程式 / 分岐構造 / 縮約原理 / 差分方程式 / 振動性 / 相平面解析 / 特性根解析 / 漸近挙動 / 安定性 / スペクトル理論 / マッセラ型の定理 / 漸近周期解 / 形式的随伴理論 / 分数階差分方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,差分方程式の解の漸近的性質における時間遅れの影響を解明することを目的とする。特に,差分方程式の解の安定性や振動性における具体的な時間遅れの閾値による判定法(必要十分条件あるいは最善な十分条件)を導出し,それらを数学的に厳密に証明する。そのために,応募者らが確立した特性根解析や相平面解析を駆使する。また,時間遅れをもつ微分方程式と差分方程式の比較研究により,解構造の本質的相違性や類似性を解明することも目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は主に以下の3つのテーマについて、研究を行った。 (1) 2種類の時間遅れをもつ線形微分方程式の漸近安定性について:離散型の時間遅れと分布型の時間遅れをもつスカラー線形微分方程式の漸近安定性を考察し、付随する特性方程式の根の分布を詳細に解析することで、時間遅れを表すパラメータに依存する漸近安定条件を導出した。これは、離散型の時間遅れのみをもつ方程式に対する結果と分布型の時間遅れのみをもつ方程式に対する結果の拡張になっている。本研究は、博士後期課程の Qu Mingzhu 氏との共同研究である(投稿中)。 (2) 時間遅れをもつ非整数階線形微分方程式の漸近安定性について:2つの時間遅れをもつ非整数階スカラー線形微分方程式の漸近安定性を考察し、付随する特性方程式の根の分布を詳細に解析することで、零解が漸近安定であるための十分条件を係数パラメータに関する安定領域として具体的に導出した。本研究は、中国黒竜江大学 Zheng Wei 氏との共同研究である(投稿中)。 (3) 非対角成分に時間遅れをもつ線形差分方程式の漸近安定性について:非対角成分に異なる時間遅れをもつ2次元線形差分方程式の漸近安定性を考察し、異なる2つの時間遅れの和の偶奇性に着目して、零解が漸近安定であるための必要十分条件を係数パラメータに関する安定領域として具体的に導出した。これは、非対角成分に同じ時間遅れをもつ方程式の漸近安定条件を含む成果である(投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は留学生の博士論文と中国からの客員研究員との共同研究に関連する、時間遅れをもつ微分方程式の研究を優先したため、本研究課題の中心テーマである時間遅れをもつ差分方程式の研究時間を十分に取れなかったことが主な原因である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度として、差分方程式の解の漸近的性質における時間遅れの影響に関する総括とやり残した研究について見直しを行う。また、投稿準備中の論文を早期に執筆し、得られた研究成果を国内外の学会や研究集会で発表する。
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