研究課題/領域番号 |
19K03527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 福岡工業大学 (2020-2023) 工学院大学 (2019) |
研究代表者 |
山盛 厚伺 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (80807511)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ベルグマン核関数 / 正則自己同型群 / Bergman核 / 正則同値問題 / ラインハルト領域 / ベルグマン核 / 双正則写像 / 特殊領域 |
研究開始時の研究の概要 |
多変数函数論において「有界性や円型性などの良い条件下で知られている定理は, 仮定を弱めると結論はいかに変化するのか?」という問いは基本的であるが, 特定の定理に限っても非自明な問いである. これまでにその有用性が判明しているBergman幾何的手法を援用して, 次の(a), (b)について研究を行う. (a) 準円形領域の正則自己同型群の等方部分群に現れる写像を分類する. (b) 具体的な領域に対する同型問題や, 関連する問題でBergman幾何的手法がどれほど有用かを非等質領域にて調査する. (a)ではBergman写像, (b)ではBergman幾何的に定義される不変集合が重要な役割を果たす.
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研究実績の概要 |
本研究では、ベルグマン核関数と正則自己同型群及びその相互関係に注目して研究をおこなっている。東アジアの多変数函数論の若手の交流を目的とした国際研究集会が10年前程から継続して行われている、当該年度も釜山においてこの研究集会が8月に開催され、そのオーガナイザーとして参加した。 本研究集会中にPark氏によるシリンダー型領域の共通部分として定義される複素領域に対するBergman核の明示的公式の講演があった。この講演に着想を得て、Fock-Bargmann-Hartogs型のシリンダー型領域の共通部分のBergman核を考察し、具体的計算が難しいとされるBergman核の明示的公式を新たに発見することが出来た。またこの公式の応用として当該領域のBergman核の零点の有無を問う、Lu Qi-Keng問題を考察しこの領域ではLu Qi-Keng領域であること、すなわち零点を持たないことを証明することが出来た。本研究結果は論文として執筆済みであり、現在査読中である。 また、上記の結果の他にKaup-Upmeier型の定理をBergman核の理論により証明するというテーマについても研究した。この定理は有界領域である種の対称性を持つ領域の間に双正則な写像があれば、線形同値になるということを述べている定理である。この定理において有界という条件を除いてもBergman核関数の理論の観点から「良い条件」を満たしていれば、 Kaup-Upmeierの定理と同じ結論が得られることを証明した。特に具体例としてFock-Bargmann-Hartogs領域の低次元の例が、実際にこの結果の具体例になっていることも併せて証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一時はコロナ禍により研究が当初の予定から遅れていたことは否めないが、研究結果を出し論文執筆の状況まで到達できているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べたKaup-Upmeier型定理の結果については本報告書執を書いている時点で論文執筆がある程度進んでいるが、これを投稿することをまず優先して行う。また研究実績の概要欄の研究を実施している際にガンマ関数に関する等式をBergman核関数の理論から組織的に作る方法を発見した。これについては、おおよその証明の道筋はチェックしているがテクニカルな部分で詳細を詰め切れていない。この詳細を確認し、論文執筆し投稿まで今年度のできるだけ早い時期に持っていきたい。
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