研究課題/領域番号 |
19K03548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
三上 敏夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70229657)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ラグランジアン定式化 / 非凸コスト関数 / 確率最適輸送問題 / Schroedingerの問題 / sticky particle system / Brun-Minkowskii不等式 / excursion coupling / Wasserstein距離 / 双対定理 / superposition principle / Knothe-Rosenblatt 過程 / ガウス場の最大値の分布 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、経済学や画像処理などの様々な分野に応用されている最適輸送問題や平均場ゲーム理論を確率最適輸送理論の枠組みで統一的に発展させ、それらの新たな応用を見出していくことである。研究のスタイルとして、数学的理論のみでなく応用分野からの数学的要請にも注目し、応用分野と同期しながら数学理論を発展させていきたい。そのためには国内外の専門家との最新の情報交換が不可欠である。
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研究実績の概要 |
初期確率分布と終期確率分布が与えられた場合の最適輸送問題を考える。 コスト関数が凸な場合、これは、コスト関数をラグランジアンとして、与えられた初期・終期確率分布を持つ絶対連続確率過程に対する作用汎函数の平均値の最小化問題として定式化できる。これを最適輸送問題のラグランジアン定式化という。 ところで、ラグランジアンが凸でない場合の確率最適輸送問題の研究は進んでいない。ラグランジアンが凹関数で劣線形増大オーダーを持つ場合、上記の絶対連続確率過程に対する最小化問題の値は、0か無限大であることを示した。これより、凸でないラグランジアンを持つ確率最適輸送問題の研究には、まずは、どのようなラグランジアンが研究対象になりうるかを決定することから始めなければならないことがわかった。そこで、まず、コスト関数が凸でない場合の最適輸送問題について、そのラグランジアン定式化を研究した。 コスト関数が凹関数の持つある性質を持つ場合に、コスト関数とは異なる新しいクラスのラグランジアンを用いて、最適輸送問題のラグランジアン定式化を得た。この場合、最適経路の一意性がないことも示した。また、「最適経路は、途中でランダムに止まっても良いが、移動するときは、(ランダムな速度でも良いが)時間全体を通じて一定速度でなければならない。」ことを示した。また、コスト関数が非減少な場合に、別のクラスのラグランジアンを導出することに成功した。この場合、2つのラグランジアン定式化において、最適経路の空間は一致すること及びそこではラグランジアンの値が一致することも示した。ラグランジアンが凸関数ではないが線形増大オーダーを持つ場合、その最適輸送問題は、オーダー1のMonge-Kantorovich問題の定数倍になることも示した。特に、ラグランジアンが無限遠点のみで線形増大オーダになる場合に限り、最適経路は存在しないことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までの研究成果から新たな研究成果・課題が見出されている。
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今後の研究の推進方策 |
凸とは限らないラグランジアンを持つ確率最適制御問題の理論の構築を新たに行う。
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