研究課題/領域番号 |
19K03567
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新居 俊作 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (50282421)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | Maslov Index / Stability Index / 相転移 / 力学系 / Hot spot |
研究開始時の研究の概要 |
無限次元の微分方程式について力学系の視点から位相幾何学的な手法の研究を行う。 無限次元Maslov Indexの理論を用いて熱方程式のHot Spot予想に関連した解の形状の研究を行う、又、反応拡散方程式等に対し無限次元Stability Indexの理論を用いて分岐問題等の解析を行う。 更に相転移現象の数学的モデルとしての無限格子上で定義された常微分方程式について、そのエネルギー曲面の位相構造の変化を解析することにより相転移現象の位相幾何学的な起源を探る。
|
研究実績の概要 |
1、Maslov Index は空間次元が二次元以上の領域で考えると無限次元の対象を考えなければならなくなるが、特に(恒等作用素)+(コンパクト作用素) の形のユニタリ作用素が定めるLagrange Grassmann 多様体をFredholm Lagrange Grassmann 多様体と呼び、この無限次元多様体の基本群は整数環Z と同型であり、その上の曲線により非自明なIndex を定めることができる。本研究では Neumann 境界条件を課した熱方程式に対して無限次元Maslov Index を用いることにより、所謂Hot Spot 予想と呼ばれる問題に関連した研究を、その位相幾何学的構造を明らかにすることを目標に行った。 2、Stability Index もやはり空間二次元以上では無限次元化しなければならずMaslov Index と同じ困難があるが、この上記と困難も同様の方法で解決された。 無限次元Stability Index無限次元Stability Index の理論は発表当時は理論先行で具体的な応用例に乏しかったが、近年の反応拡散系等の研究の進展によって応用できる可能性のある例が増えており、本研究でこのIndex の具体例への応用を行うための研究を行た。 3、本研究では相転移現象の数学的モデルとして無限格子上の結合常微分方程式系の研究を行っている。相転移の問題はこれまで主に解析的な手法を用いて研究されてきたが、本研究は与えられたポテンシャルに対する相空間内の等エネルギー超曲面の位相幾何学的変化が様々な熱力学的量の発散や不連続性の起源になっているのではないかと推測し、この超曲面の位相幾何学的な構造と相転移を関連付けることにより、相転移現象の幾何学的構造を理解しようというアイディアで行われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、令和4年度前半まで研究集会への出席が事実上出来ず、一部ではオンラインによる開催も行われていたが、実際に講演者 と対面で細部にわたる議論を行うことの代替には到底ならず、最新の研究情報の入手や他の研究者とのアイディアの交換が非常に困難な状況にあった。 さらに、令和3年度末近くにロシアがウクライナへ侵攻を開始した煽りを受けて、現在でも一部の国への渡航が難しく、また、急激な円安により、その他の国への出張も費用的に難しい状況が続いている。 それにより、交付された科学研究費の一部を次年度以降に繰り越すこととなった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度後半より対面での研究集会の開催や他の研究者との情報交換、議論のための出張が可能になったことを受け、一部の出張を令和6年度に実施し、研究情報の収集、交換に努める。また、ウクライナ情勢と円安の状況を見極めながら、可能であれば海外出張も行う。
|