研究課題/領域番号 |
19K03568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 逸人 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (70571793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 力学系理論 / 蔵本モデル / 大自由度力学系 / 一般化スペクトル理論 / 脳神経細胞の同期 / ガンマ波 / ネットワーク / 結合振動子系 / 同期現象 |
研究開始時の研究の概要 |
ネットワーク上で定義された大自由度力学系は,神経細胞の同時発火,蛍の集団発光,発電所の配電網など多くの応用があり重要な研究対象であるが,そのダイナミクスについてはまだ明らかにされていない.とくにネットワーク構造と同期現象の関係を調べることは極めて重要であり,これを無限次元力学系の手法を用いて明らかにすることを目的とする.
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研究実績の概要 |
同期現象の標準的な数理モデルとして蔵本モデルがよく知られている。互いに相互作用(引力)を及ぼす振動子たちがなす微分方程式系である。蔵本モデルが実際に同期現象を起こすかどうかは長らく未解決問題であったが、本研究者はこれを解決し、さらに本年度においてはスパース(薄い)なグラフ上の蔵本モデルの解析を行い、同期が起こるための閾値の計算や分岐の構造の計算を行った。デンス(みつ)なグラフとスパースなグラフでは異なる結果が得られ、グラフの構造が蔵本モデルの力学系的な振る舞いに違いを与えることが明らかになった。この結果は論文 H.Chiba, G.S. Medvedev, M.S. Mizuhara, " Bifurcations and patterns in the Kuramoto model with inertia", J. of Nonlinear Science ,(2023) として出版された。さらに、この結果を機械学習に応用することでよい性能を持つ機械学習の設計ができた。機械学習の一種であるリザバー計算に蔵本モデルを用いることで、リザバー内部の力学系が分岐を起こした直後に計算能力が上がるという "edge of bifurcation" の予想を数学的に証明した。リザバーの力学系のパラメータを変化させるとき、分岐が起きた直後に計算能力があがることを証明できた。この結果は論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
蔵本モデルの解析において、当初の予定通りの結果が得られた。またその機械学習への応用も得られ、当初の予定よりも進んだ結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
蔵本モデルの数学的な解析については十分な結果が得られたため、今後はこの結果を機械学習や生物学へと応用していきたい。
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