研究課題/領域番号 |
19K03583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
高橋 亮 奈良教育大学, 数学教育講座, 准教授 (30583249)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 点渦系 / 解の存在性 / 特異極限 / 分布系 / 解構造 / 領域 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、渦形成メカニズムを解明するために提唱された確率分布系に従う点渦系平均場方程式、決定分布系に従う点渦系平均場方程式、および単純化された平均場方程式の3つの数理モデル間の解構造の類似点・相違点を解明していく。この構造解明によって、渦形成メカニズムの理解が深められることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、渦形成メカニズムを解明するために提唱された確率分布系に従う点渦系平均場方程式、決定分布系に従う点渦系平均場方程式、および単純化された平均場方程式の3つの数理モデル間の解構造の類似点・相違点を解明していく。本年度の研究において得られた主要な結果は次の4つである。
1.確率分布系に従う数理モデルについて、点渦の向きが正負ともに混在し、各向きについての最大強度が等しく、かつ最大強度に対応する点が非退化であるとき、量子化の問題がポジティブに解決された。証明のアイデアは、正のバブルと負のバブルが交互に積み重なっていくことを示し、特異的なリュービル方程式についての既存の結果を用いて、量子化に係るパラメータ値を確定させることである。 2.確率分布系に従う数理モデルについて、上記1と同じ設定のもと、量子化と写像度の理論を組み合わせることによって、解の存在性は単純化された平均場方程式に類似していることが明らかになった。 3.決定分布系に従う数理モデルについて、sinh の摂動とみなされるような分布に対して、量子化の問題がポジティブに解決された。証明のアイデアは上記1と同様である。 4.決定分布系に従う数理モデルについて、上記3と同じ設定のもと、量子化と写像度の理論を組み合わせることによって、解の存在性は単純化された平均場方程式に類似していることが明らかになった。ただし、類似しているパラメータの範囲は限定的であり、sinhをどのくらい摂動させるかに依存する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
【研究実績の概要】で述べたように、解の存在性に関する結果は得られたが、解の一意性については何も結果を得ることができなかった。また、全域解の性質や、非定常問題の解の爆発問題についても研究がうまく進まなかった。さらに、決定分布系に従う数理モデルについて、特異極限の剰余項を各種パラメータで特徴づける問題も、既存の結果を大きく更新するような結果が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は次の4つに分けられる。
1.【研究実績の概要】で述べられた結果について、より一般的な仮定のもとで同様のことが成り立つか否かを調べる。 2.確率分布系および決定分布系のどちらについても、分布が対称的である場合、自明解をもつ。このことを出発点とし、領域の形状も考慮に入れ、解の分岐問題を改めて研究しなおす。 3.決定分布系の場合、分布が有限かつ離散的であったとしても、他の2つの数理モデルと異なる性質をいくつか有する。この要因を探るために引き続き数値シミュレーションを行う。 4.非定常問題についても引き続き研究を行う。
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