研究課題/領域番号 |
19K03590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
生駒 典久 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50728342)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 非自明解 / Born-Infeld方程式 / 弱解と最小化元 / 光線分 / 分数冪ラプラシアン / 安定解 / 層構造 / Monotonicity Trick / 峠の定理 / Born Infeld 方程式 / L^2 正規化解 / 正値解 / L^2正規化解 / 解の多重存在 / 有界な Palais-Smale 列 / 光線(light segment) / L^2正規化問題 / ポテンシャル / Joseph-Lundren指数 / 台が有界な非自明解 / 漸近挙動 / 光線の非存在 / 非自明解の存在 / 非存在 / 劣線形項 / 最小エネルギー解 / 非線形楕円型方程式 / 解の存在,非存在 / 解の性質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は非線形楕円型方程式と呼ばれる偏微分方程式に対し,特定の性質を持った解の存在(および非存在)を明らかにすることを目標としている.本課題で扱う方程式は,物理学など数学以外の分野において現れるものや幾何学と関連が深いものである.これらの方程式については自明な解と呼ばれる解以外(それらを非自明解と呼ぶ)については解を具体的に書き下すことはできず,非自明解の存在自体が知られていない.本課題では,非自明解の存在を証明することを目標にしているが,それと同時に見つけた非自明解がどのような性質を持っているかについても明らかにしたい.
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研究成果の概要 |
本研究課題では特異性や非局所効果のある非線形楕円型方程式の解構造の解明を目標とし,研究を行った.得られた成果は,Born-Infeld方程式(特異性のある方程式)の最小化元の正則性と弱解との関係,分数冪ラプラシアンとHardy-Henon型非線形項を持つ方程式(非局所性のある方程式)の安定解の存在や非存在,また安定解の族が層構造を持つことも示すことができた.これら以外にも劣線形項を持つ方程式,1次元Pucci作用素を含む方程式,大きなパラメータを含む楕円型方程式,L2制約条件付き問題それぞれについて解の存在や形状等を調べ明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Born-Infeld方程式については,これまでの先行研究とは異なる着眼点から研究を行い,得られた成果も先行研究とは大きく異なる.特に光線分を持つ弱解の存在を示し,エネルギー汎関数の最小化元だが弱解とはならない例を構成できたことも非常に意義深い.分数冪ラプラシアンを含む方程式では,安定解の族とその層構造の存在を示した.これは先行研究を大きく前進させるものであり,新しい技法を発見した.さらに副産物として得られたJoseph-Lundgren指数の複数存在という結果もこれまで考えられてこなかった状況である.これは更なる研究を呼び起こす可能性のある結果であり,興味深いことを見つけたと言える.
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