研究課題/領域番号 |
19K03603
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
藤田 慎也 横浜市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (60424206)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 辺着色グラフ / グラフの分割問題 / グラフの次数条件 / グラフの極値問題 / グラフのラムゼー数 / グラフの彩色問題 / 密なグラフの部分構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者が最近の研究で提起した辺着色グラフの分割問題に関する予想について、部分的、もしくは可能であれば全面的に解決することを目標としている。研究では、国内外の研究者たちとの学術交流の機会を大事にしながら、多角的視点により予想の解決を目指したい。 さらに、本研究では、当該予想の解決に向けた考察過程で得られた知見を活かすことで、辺着色グラフの枠組みを超えて密なグラフの内部構造が把握出来るような、グラフ理論において汎用性の高い構造定理についてもその構築を狙っていきたい。
|
研究実績の概要 |
前年度と同様にコロナ感染症の影響のため、予定していた共同研究者訪問や国際会議といった学術交流の機会を得るのが難しく、その影響もあって残念ながらこの年度では思うような研究実績が得られなかった。それでも、Zoom を利用したオンライン打ち合わせやオンライン国際会議、オンラインセミナーに積極的に参加し、さらには近郊在住の共同研究者を招いて、小規模なセミナーを本科研費の助成により2回開催して当該研究分野の情報収集を行い、一定の研究成果は得られている。現時点においては、それら成果をまとめた論文を執筆中という状況であり、日本数学会等いくつかの研究集会で当該成果の報告を行なった。今後の研究実績となり得る研究の進展として、次の二つのテーマにおける研究を推進し、一定の成果をあげることが出来た。 ① 高連結グラフ上の非分離パスの存在に関する研究 ② 重み付きグラフ上の辺の向き付けと点の彩色、及び、順序構造に関する融合研究 本科研費の主要研究課題は、辺着色されたグラフ上の色次数条件に関する分割問題であるが、所望の分割の存在を保証するためには同じ色の辺からなる単色部分構造の解析が不可避であり、その構造研究において高連結グラフの構造解析が重要となる。①の研究はこの方向からアプローチし、研究の進展を測る狙いがある。一方で、辺着色グラフとグラフの点彩色の解析は、グラフとその線グラフの観点からある意味において表裏一体の関係があり、色に順序を付加することで所望の構造を把握するという着想から②の研究を推進する経緯となった。これについても一定の成果を得ることが出来ている。本研究の全体的な進捗としては、当初の予定より大分遅れてしまったが、新たな研究の方向性を見出すことには成功している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症の影響、及び、世界情勢の悪化による航空運賃の高騰により、当初予定していた国際会議への参加や研究者訪問が実現出来なかった。このことで研究上有用な情報収集が思うようにはかどらず、研究の進捗について当初予定していた研究計画に比べて遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
この年度に本研究助成により開催したセミナーは、会場設備の充実もあって現地参加者と海外の共同研究者を交えたハイブリッド会合を実現出来た。このため、非常に有意義な研究ディスカッションを展開出来、研究実績の概要で述べたような研究進展につながった。コロナ感染症の状況については(現時点においては)落ち着きつつあるが、世界情勢の悪化による航空運賃の高騰はしばらく続きそうなため、今後の研究の推進方策として、このような共同研究者たちを中心としたハイブリッド形式のセミナーの機会を増やすことで、研究計画の遅れを取り戻したいと考えている。
|