研究課題/領域番号 |
19K03619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大木 健太郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40639233)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 適応制御 / ロバスト制御 / ロバスト安定性解析 / ロバスト適応制御 / オンライン学習 / 低次元化フィルタ / 量子ビット制御 / 量子スムージング / 量子制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は量子系におけるロバスト制御理論の構築を目指すものである.既存の多くの手法は古典的なロバスト制御の手法を量子系に適用したものがほとんどであり,古典パラメータ変動等に対するロバスト性はあるが,量子系の状態遷移に対してロバストであるかどうかは試さなければ分からない状況である.本研究では,とくに量子情報処理における不確かさを定量化し,量子系に対して自然なロバスト制御理論を構築することを目標とする.
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研究実績の概要 |
本年度は制御系のトップカンファレンスである IFAC World Congress (IFAC WC)および IEEE Conference on Decision and Control (CDC) 国際会議で2件発表し,また学術論文誌に論文を2件投稿した.投稿した論文は,それぞれarXivでも公開している. IFAC WC で発表した論文は,前年度に続いて行なっている量子系の適応制御の問題で,パラメータの学習率をどのように定めればよいかを,特別な場合に限定して最短時間制御問題およびパラメータ誤差のモーメント最小化問題の2つの最適制御問題として扱い,それぞれ解析的な解をえた.扱っている量子系が非線形確率システムであり,この適応制御問題のパラメータ学習率を適切に決めることは非常に難しい.本研究は,簡単な場合に限定して解析的な解を得たのち,それを変形することで学習効率の優れた適応制御則が得られることを数値的に示した. CDCで発表した論文は,非線形確率系である量子系のモデルの不確かさの影響で公称モデルの平衡点が失われる場合に,安定化制御器がどの程度平衡点付近に解を留まらせられるかを解析的に評価したもので,扱っているシステムがパラメータの誤差に対して非常に敏感であることを示したものである.投稿した論文の1つはこの結果を詳細に評価したものである.このことは,対象となる量子系には非常に高精度なモデリングを要求しなければならないことを意味し,今後は適応制御との融合や機械学習などを併用した,モデル化誤差を抑える手法を開発する必要がある.
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