研究課題/領域番号 |
19K03624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
福田 亜希子 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (70609297)
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研究分担者 |
渡邉 扇之介 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (80735316)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Max-plus代数 / Kaczmarz法 / ダイクストラ法 / 固有値 / 超離散化 / 超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系 / Min-plus代数 / max-plus代数 / min-plus代数 / 超離散ハングリー戸田方程式 / 保存量 / 最短経路問題 / トロピカル代数 / ネットワーク / 離散ハングリー戸田方程式 / 量子ウォーク / max-plusウォーク / 可積分系 / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
可積分系に基づく数値計算アルゴリズムは,可積分系が持つ良い性質に起因して,高速・高精度な優れたアルゴリズムである。Max-plus代数とは,実数に-∞を加えた集合に和と積をそれぞれmax演算と+で定義した代数である。Max-plus代数上の固有値問題や線形方程式などの求解は制御理論・最適化問題など様々な応用が知られている。本研究では,アルゴリズムの一連の手順に対して超離散化を施すことで,max-plus代数上の新たな可積分アルゴリズムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
先行研究において,超離散可積分系の一つとして知られる超離散ロトカ・ボルテラ系がmin-plus代数上の三重対角行列の固有値を求めるアルゴリズムとして解釈できることが知られている.2020年度の研究成果において,超離散ロトカ・ボルテラ系を一般化したI型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系に対して,パラメータが特定の値をもつ場合の漸近挙動や保存量を明らかにし,その時間発展によってmin-plus代数上の帯行列の固有値を計算できることを明らかにしている.そこで,2021年度は2020年度に得られた結果を一般化し,任意のパラメータをもつ場合について検討した.その結果,I型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系が任意の帯幅をもつ帯行列に対する固有値を計算できることを明らかにしている.さらに,I型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系とI型超離散ハングリー戸田方程式との行列の固有値の意味での対応について検討を行い,実験的にではあるがそれらの対応を確認している.
一方,グラフにおける最短経路問題の解は対象とするグラフに対応する隣接行列を係数行列とするmin-plus代数上の線形方程式の解と一致することが知られている.最短経路問題の解法として有名なダイクストラ法をmin-plus代数上のアルゴリズムとみなすことで,ダイクストラ法はmin-plus代数上のある線形方程式の解を求めていると解釈できる.本研究では,古典的な線形計算アルゴリズムの一つであるKaczmarz法を超離散化することにより,min-plus代数上のダイクストラ法のアルゴリズムと一致することを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画の通り,I型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系と帯行列の固有値計算アルゴリズムとの関係,および,線形方程式を解くKaczmarz法の超離散化と最短経路問題を解くダイクストラ法との関係が明らかになったため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,I型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系とI型超離散ハングリー戸田方程式の行列レベルでの対応について検討を進める.さらに,II型の方程式や対応する箱玉系についても検討する.
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