研究課題/領域番号 |
19K03626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮路 智行 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20613342)
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研究分担者 |
SINCLAIR Robert 法政大学, 経済学部, 客員教授 (50423744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自己駆動粒子 / 数理モデリング / ビリヤード問題 / 力学系 / 微分方程式 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
非線形・非平衡現象によって自己組織的に駆動力を獲得して動く自己駆動的な剛体円板を有界領域に閉じ込めると,ビリヤードのような直進・反射運動が観察される.その反射規則は光の反射と異なり,反射角が入射角より大きくなるようである.その結果,領域を動き回る円板の軌道もまた完全弾性反射によるものとは異なる様相を示すと考えられる.本研究では円板と領域のサイズ比に応じた異なるレベルの数理モデルを通じて,その階層間の関連に着目しながら,反射規則という局所的な規則と円板の描く軌道という大域的なパターンとの関係の数理的理解を目指す.
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研究成果の概要 |
領域内部で漸近的に等速直線運動し,領域境界と反発的に相互作用する単一の自己駆動粒子のビリヤード的運動を研究した.着目する現象の時空間スケールに応じて偏微分方程式モデル,常微分方程式モデル,離散時間力学系モデルの三種類の数理モデルに対する数理解析・数値実験を行った.出版された成果は常微分方程式モデルにおける粒子の反射に関するものである.入射角より反射角の方が大きくなることをある仮定の下で証明した.数値実験結果によれば,この仮定は緩められることが示唆されるが,証明には困難が残る.また,粒子の運動が非常に遅い極限において,詳細な数値実験によって,入射角と反射角の関数関係の具体形についての予想を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は水面に浮かぶ樟脳円板の運動を主な動機付けとしてきたが,入射角と反射角の関係に関して得られた成果は,偏微分方程式モデルから分岐理論による縮約方程式として導かれたモデルの研究を通して得たものである.そのため,特定の方程式や系にとどまらず,同様の振る舞いを示す別の系においても同様のことが成り立つ普遍性があると予想する.我々の提出した予想を数学的に証明する試みが,自己駆動粒子の数理モデルに対する数学解析をさらに促進することを期待する.
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